「通信制高校」と「通信制大学」は、どちらも通信教育で学ぶ学校ですが、対象者や学び方、サポート体制、学費など多くの点で違いがあります。名前は似ていても、中身はまったくの別物です。通信制高校を卒業して通信制大学への進学を考えている方や、両者の違いを正しく理解したい方に向けて、この記事ではあらゆる角度から比較・解説します。

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通信制高校と通信制大学の基本的な違い
まずは、両者の基本的な違いを整理しましょう。
目的と対象者
通信制高校は、高等学校卒業資格(高卒資格)の取得を目的としています。対象者は15歳以上で、不登校経験のある方や、働きながら高卒資格を取りたい方が多く在籍しています。
通信制大学は、大学卒業資格(学士号)の取得を目的としています。対象者は18歳以上の高卒者で、社会人や主婦、シニア層まで幅広い年齢層が学んでいます。
学位・資格
通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ「高等学校卒業資格」が取得できます。通信制大学を卒業すると、通学制大学と同じ「学士」の学位が取得できます。いずれも法的な価値は通学制と同等です。
修業年限
通信制高校は3年以上、通信制大学は4年以上(3年次編入の場合は2年以上)が修業年限です。
| 比較項目 | 通信制高校 | 通信制大学 |
|---|---|---|
| 目的 | 高卒資格の取得 | 学士号の取得 |
| 対象年齢 | 15歳以上 | 18歳以上 |
| 修業年限 | 3年以上 | 4年以上 |
| 取得資格 | 高校卒業資格 | 学士の学位 |
学費の違い
通信制高校と通信制大学では、学費の規模が大きく異なります。
通信制高校の学費
公立の通信制高校は、年間の学費が非常に安く、授業料は1単位あたり数百円程度です。年間で約1万円前後に収まることもあります。さらに、高等学校等就学支援金制度を利用すれば、実質無償になるケースもあります。
私立の通信制高校は年間20〜80万円程度が相場ですが、就学支援金によって実質負担が軽減されます。
通信制大学の学費
通信制大学は、年間10〜40万円程度が相場です。4年間の総額は40〜160万円ほどで、通学制の私立大学(4年間で400〜600万円)と比べると大幅に安くなっています。

学習スタイルの違い
学び方にも、高校と大学では大きな違いがあります。
通信制高校の学習
自宅でのレポート学習と、年に数回のスクーリング(対面授業)、単位認定試験で構成されます。スクーリングは全通信制高校で必須で、完全にスクーリングなしで卒業できる高校は存在しません。ただし、年に数日の登校で済む学校もあります。
科目は国語・数学・英語など高等学校の学習指導要領に基づいた内容で、74単位以上の取得が卒業条件です。
通信制大学の学習
テキスト学習、オンライン授業、レポート提出、科目試験を中心に学びます。スクーリングが必要な大学もありますが、完全オンラインで卒業できる大学も増えています。
科目は自分の興味や目的に合わせて選べる自由度が高く、124単位以上の取得が卒業条件です。専門分野を深く学べるのが大学ならではの特徴です。
- 通信制高校:レポート+スクーリング必須+試験、74単位以上
- 通信制大学:テキスト+オンライン授業+レポート+試験、124単位以上
- 通信制大学は完全オンライン卒業が可能な学校もある
サポート体制の違い
サポートの手厚さにも、高校と大学で大きな差があります。
通信制高校のサポート
通信制高校には「サポート校」という仕組みがあり、学習指導や生活面のフォローを手厚く行ってくれます。担任制を採用している学校も多く、生徒一人ひとりに合わせたきめ細かな対応が特徴です。不登校経験のある生徒への配慮も充実しており、カウンセラーが常駐している学校もあります。
通信制大学のサポート
通信制大学にもサポート体制はありますが、高校ほど手厚くはないのが実情です。大学は「自主的に学ぶ場」という前提があるため、基本的には自分で学習を管理する必要があります。ただし、近年はオンラインでの質問対応やアドバイザー制度を充実させる大学が増えています。
通信制大学には通信制高校のような「サポート校」は基本的に存在しません。学習支援を求める場合は、大学本体のサポート制度を活用することになります。

学生の年齢層と雰囲気の違い
通信制高校
15〜18歳の10代が中心です。不登校や転校を経験した方、芸能活動やスポーツと両立する方、海外在住の方など、さまざまな事情を持つ若者が在籍しています。
通信制大学
18歳から60代以上まで、幅広い年齢層が在籍しています。30〜50代の社会人が最も多いのが特徴で、仕事をしながら大卒資格の取得や資格試験の受験資格を得るために学んでいる方が大半です。主婦や定年退職後の方も珍しくありません。
通信制高校から通信制大学への進学
通信制高校を卒業した後、通信制大学に進学することは可能です。通信制高校の卒業資格は全日制と同等のため、大学への入学資格として問題なく認められます。
進学率の現状
通信制高校からの大学等進学率は約24%で、全日制高校の約60%と比べると低い数字です。ただし、これは通信制高校に通う方の多くがすでに社会人として働いており、進学よりも高卒資格の取得が主な目的だからです。
通信制大学への進学のメリット
通信制高校で培った「自分で学ぶ力」は、通信制大学での学びにそのまま活かせます。自宅学習の習慣がすでに身についているため、通学制出身の方よりもスムーズに適応できる可能性があります。
通信制高校の卒業証書には「通信制課程」と記載される場合がありますが、大学入学資格としては全日制と同等です。入試で不利になることはありません。
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卒業の難しさの違い
通信制高校の卒業率
通信制高校の卒業率は学校によって異なりますが、サポート校を利用すれば高い卒業率を維持している学校が多いです。3年間で計画的に74単位を取得すれば卒業できます。
通信制大学の卒業率
通信制大学の卒業率は一般に15〜30%程度と低めです。大学は科目の難易度が高く、求められる学習量も多いため、途中で挫折してしまう方が少なくありません。サポートが充実している大学を選ぶことが卒業率を上げるコツです。

通信制高校・通信制大学に関するQ&A
Q. 通信制高校を卒業していないと通信制大学に入れない?
高卒資格があれば入学できます。通信制高校でも全日制高校でも、高卒資格は同じです。高卒認定試験(旧・大検)に合格した場合も、大学への入学資格が得られます。
Q. 通信制高校と通信制大学を同時に通うことはできる?
通信制高校に在籍しながら通信制大学に入学することは、原則としてできません。大学への入学には高卒資格が必要です。ただし、科目等履修生として一部の大学科目を先取りで学べる制度がある大学もあります。
Q. 通信制大学の方が通信制高校よりも難しい?
一般的にはそうです。大学は専門的な内容を深く学ぶため、レポートや試験の難易度が高くなります。ただし、通信制高校で自己学習の習慣が身についていれば、そのスキルは大学でも大いに活きます。
Q. 通信制高校から全日制大学への進学は可能?
もちろん可能です。通信制高校の卒業資格で、全日制の大学(国公立・私立問わず)にも出願できます。推薦入試やAO入試で合格している方も多数います。

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通信制高校から大学進学する際のアドバイス
通信制高校の卒業後に大学進学を考えている方に向けて、具体的なアドバイスをまとめます。
進学先の選択肢を広く持つ
通信制大学だけでなく、全日制大学や夜間部、専門学校なども選択肢に入れましょう。通信制高校の卒業資格はすべての上位教育機関への出願に使えます。自分の目標に合った進学先を幅広く検討してください。
推薦入試やAO入試を活用する
通信制高校から全日制大学への進学を目指す場合、推薦入試やAO入試(総合型選抜)は有力な受験方法です。学力試験の負担が軽い分、志望理由書や面接の準備に力を入れましょう。
自己学習能力をアピールする
通信制高校で培った自己管理能力や自主学習の姿勢は、大学入試や面接で大きなアピールポイントになります。「自分のペースで計画的に学びを進められる力がある」ということを自信を持って伝えましょう。


🐹 通信制大学ではオンライン授業が増えていますので、自宅の学習環境を整えておくのがポイントです。ノートPCやタブレット選びで迷っている人はこちらを参考にしてみてください。



通信制高校と通信制大学の学習を成功させる共通のコツ
通信制の学びを成功させるために、高校・大学に共通するコツを紹介します。
学習計画を立てて「見える化」する
通信制の学びでは、誰かが時間割を決めてくれるわけではありません。自分で学習計画を立てて、カレンダーやアプリで管理することが継続の第一歩です。1週間単位で「何を」「いつ」やるかを決めておくと、迷いなく学習に取りかかれます。
締め切りを意識する
レポートの提出期限やスクーリングの申し込み締め切りを見落とすと、単位取得に影響します。重要な日程はリマインダーを設定して、余裕をもって対応しましょう。
孤立せず仲間をつくる
通信制の学びで最大の敵は孤立です。SNSやオンラインコミュニティで同じ学校の仲間とつながり、情報交換やモチベーションの維持に活用しましょう。
困ったらすぐに相談する
わからないことや不安なことがあったら、教員や事務局にすぐ相談しましょう。通信制では対面の機会が少ない分、メールや電話でのコミュニケーションを積極的に行うことが大切です。
- 学習計画を立ててカレンダーで管理する
- 提出期限やスクーリング日程を見落とさない
- SNSやコミュニティで仲間をつくる
- 困ったら教員・事務局にすぐ相談する
🐹 通信制の学びでは自宅での学習時間が長くなりますので、快適に勉強できるグッズを揃えておくとモチベーション維持にもつながりますよ。社会人向けの便利アイテムをまとめています。



まとめ
通信制高校と通信制大学は、名前こそ似ていますが、目的・対象者・学費・サポート体制・卒業の難しさなど、あらゆる面で違いがあります。最も大きな違いは、高校が「高卒資格」を、大学が「学士号」を取得する場であることです。
通信制高校を卒業すれば通信制大学への進学はもちろん可能で、自宅学習のスキルをそのまま活かせるのは大きな強みです。それぞれの違いを正しく理解した上で、自分の目標に合った進路を選んでください。
参考リンク:通信制高校と通信制大学の比較(スクーリングなし通信制大学ガイド) / 通信制高校からの大学進学(通信制高校ナビ) / ID学園高等学校「通信制高校と通信制大学の検討ポイント」
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