社会人のスキルアップやキャリアチェンジを考えるとき、「通信制大学」と「専門学校」のどちらに通うべきか迷う方は少なくありません。どちらも学びの手段として優れていますが、取得できる学位・資格、学費、学習スタイルなどに大きな違いがあります。
この記事では、通信制大学と専門学校を項目ごとにわかりやすく比較し、目的別にどちらを選ぶべきかをガイドしていきます。

📝 入学したら、すぐレポートが始まる
通信制大学は、入学してすぐレポートが始まります。パソコンやプリンタはもちろん、印刷用紙や参考書の置き場所まで、先に決めておくと立ち上がりがまるで違います。入学前に揃えておきたいものを、ひと通り整理しています。

通信制大学と専門学校の基本情報
まず、両者の基本的な位置づけを整理しましょう。
| 項目 | 通信制大学 | 専門学校 |
|---|---|---|
| 修業年数 | 4年(3年次編入なら2年) | 1〜4年(2年が多い) |
| 取得できる学位 | 学士(大卒資格) | 専門士・高度専門士 |
| 入試 | 書類選考が中心 | 書類選考+面接が多い |
| 学習スタイル | 自宅学習中心 | 通学が基本 |
| 学費(目安) | 30万〜100万円(4年間) | 200万〜400万円(2年間) |
取得できる学位・資格の違い
両者のもっとも大きな違いは、卒業後に得られる学位です。
通信制大学を卒業すると「学士」の学位が授与されます。これは通学制大学と同じ正式な大卒資格であり、大卒を条件とする求人への応募や、大学院への進学が可能になります。
専門学校を卒業した場合は「専門士」(2年制)または「高度専門士」(4年制)の称号が付与されます。高度専門士は大卒と同等の扱いを受けることもありますが、すべての場面で同じ評価を得られるわけではありません。
資格取得の面では、取りたい資格の種類によって有利な方が変わります。美容師や調理師など実技を伴う資格は専門学校が強く、教員免許や社会福祉士など学位が必要な資格は通信制大学のほうが適しています。
- 大卒資格が欲しいなら → 通信制大学
- 特定の実技系資格が欲しいなら → 専門学校
- 教員免許・社会福祉士などは → 通信制大学で取得可能
学費の違い
学費面では通信制大学が圧倒的に経済的です。通信制大学の4年間の学費は30万〜100万円程度が一般的ですが、専門学校は2年間で200万〜400万円近くかかることも珍しくありません。
通学のための交通費や教材費を含めると、その差はさらに広がります。経済的な負担を最小限にしたい方には通信制大学が向いています。
ただし、専門学校には各種奨学金や教育訓練給付金の対象講座が充実しているケースもあるため、実質的な費用は個別に確認することをおすすめします。
学習スタイルの違い
専門学校は原則として通学が必要で、毎日決まった時間にキャンパスに通い、対面で授業を受けます。実習・実技の授業が多く、手を動かしながら学ぶスタイルが中心です。
通信制大学は自宅でテキストやオンライン教材を使って学ぶのが基本です。働きながら、子育てをしながらなど、自分のペースで学べる柔軟性が大きな魅力です。
オンライン授業やスクーリングのライブ配信では、音声のやり取りが発生する場面もあります。家族がいる時間帯に受講するなら、マイク付きのヘッドセットを用意しておくと落ち着いて参加できます。


就職・キャリアへの影響
就職への影響は、目指す業界や職種によって大きく異なります。
専門学校が有利なケース
- 美容・理容・調理・製菓など技術職を目指す場合
- 医療事務・歯科衛生士・看護助手など医療系の実務職
- IT系のプログラミングやデザインなど、ポートフォリオで勝負する分野
通信制大学が有利なケース
- 大卒資格が必須の職種(公務員・教員など)を目指す場合
- すでに社会人経験があり、キャリアアップのために学位が欲しい場合
- 大学院への進学を視野に入れている場合
目的別の選び方ガイド
大卒資格が欲しい → 通信制大学
「学士」の学位を取得したいなら、通信制大学一択です。専門学校では大卒資格は取得できません。
手に職をつけたい → 専門学校
美容師・調理師・整備士など、実技を伴う資格を取得したい場合は専門学校が適しています。通信制大学では対応できない分野です。
教員免許を取りたい → 通信制大学
教員免許は大学で所定の単位を取得する必要があるため、通信制大学で取得を目指しましょう。
働きながら学びたい → 通信制大学
フルタイムで働いている方には、自分のペースで学べる通信制大学が圧倒的に向いています。専門学校は昼間部が中心で、夜間部があっても毎日通学が必要です。
短期間で就職したい → 専門学校
2年制の専門学校なら、最短で技術と資格を身につけて就職活動に臨めます。通信制大学は4年(編入でも2年)かかるため、スピード重視なら専門学校が有利です。
- 大卒資格・教員免許・社会福祉士 → 通信制大学
- 美容師・調理師・技術系資格 → 専門学校
- 働きながら学びたい → 通信制大学
- 短期間で就職したい → 専門学校
🐹 通信制大学に進むなら、ノートPCやタブレットの準備は早めにしておくと安心です。学習やレポート作成に向いたおすすめ端末を紹介していますので、チェックしてみてください。



💻 家で受ける授業は、環境で身につき方が変わる
自宅で受ける授業は、環境次第で身につき方が変わります。音が拾えないマイク、目が疲れる画面、姿勢が崩れる机――小さなストレスが積もると、続ける力そのものが削られます。快適に学び続けるために、最低限そろえたいものをまとめました。



両方を組み合わせるという選択肢も
実は、専門学校を卒業した後に通信制大学に3年次編入するという方法もあります。これにより、専門的なスキルと大卒資格の両方を手に入れることができます。
たとえば、専門学校で実務スキルを身につけて就職した後、キャリアアップのために通信制大学で学位を取得するというルートを選ぶ方もいます。どちらか一方に限定する必要はなく、ライフステージに合わせて柔軟に選択していくのがおすすめです。


よくある質問(Q&A)
Q. 通信制の専門学校もあるの?
はい、通信制の専門学校も存在します。ただし、実技を伴う分野では対面でのスクーリングが必要になるケースがほとんどです。完全オンラインで完結する通信制専門学校は限られています。
Q. 専門学校卒で大卒と同じ扱いになる?
4年制の専門学校を卒業して「高度専門士」を取得した場合、大学院への入学資格が得られるなど、大卒に準じた扱いを受けることがあります。ただし、すべての求人で大卒と同等に扱われるわけではありません。
Q. どちらが年齢制限はゆるい?
どちらにも年齢制限はほぼありませんが、通信制大学のほうが幅広い年齢層の学生が在籍しています。専門学校は10代〜20代の学生が中心の場合が多いです。
🐹 通信制大学の学習に使える教材やテキストの選び方に迷っているなら、おすすめの本をまとめたページがありますよ。どんな本を揃えればいいか参考にしてみてください。



🐹 資格取得を目指して通信制大学に進むなら、試験対策に使える参考書選びも大切です。おすすめの参考書をまとめましたので、あわせてチェックしてみてください。



通信制大学と専門学校の卒業率・修了率の違い
選択の際に見落としがちなのが卒業率(修了率)です。両者の卒業率には大きな差があります。
通信制大学の卒業率は一般的に10〜30%程度とされています。仕事や家事との両立が難しく、途中で挫折してしまう方が多いのが現状です。一方、専門学校の修了率は80〜90%以上が一般的です。毎日通学する環境で、クラスメイトや教員のサポートが受けられるため、継続しやすい仕組みになっています。
ただし、通信制大学の卒業率は大学によって大きな差があります。たとえば東京通信大学やサイバー大学のようなオンライン特化型の大学は、サポート体制が充実しており卒業率が比較的高い傾向にあります。



- 通信制大学は自己管理能力が求められる → 計画性に自信がある人向け
- 専門学校は通学による強制力がある → 一人では続けにくい人向け
- 通信制大学でも、サポート体制が手厚い大学を選べば卒業率は高まる


ダブルスクール(通信制大学+専門学校の同時受講)という選択肢
あまり知られていませんが、通信制大学と専門学校を同時に受講する「ダブルスクール」という方法もあります。
たとえば、専門学校で実技系の資格を取得しながら、通信制大学で大卒資格も同時に目指すことができます。一部の専門学校では、提携する通信制大学と連携したカリキュラムを用意しているケースもあります。
ダブルスクールのメリットは以下の通りです。
- 実技スキルと大卒資格の両方を同時に取得できる
- 専門学校の卒業と同時に(または近い時期に)大卒資格も得られる
- 就職活動で「専門士+学士」のダブル取得をアピールできる
ただし、学習量が2倍になるため、時間管理が非常に重要です。専門学校のカリキュラムに加えて、通信制大学のレポートや試験もこなす必要があるため、体力・精神面でのタフさが求められます。
ダブルスクールを検討する場合は、専門学校の入学前に「通信制大学との併修に対応していますか?」と確認してみてください。
参考リンク:
社会人が通信制大学・専門学校を選ぶ際の情報収集方法
どちらに進むか決める前に、十分な情報収集を行うことが大切です。以下の方法を活用しましょう。
資料請求をする:気になる通信制大学や専門学校には、無料で資料請求ができます。パンフレットにはウェブサイトに載っていない詳細情報(カリキュラムの細かい内容、卒業生の声など)が掲載されていることがあります。
オープンキャンパスや説明会に参加する:通信制大学でもオンラインの入学説明会を開催している大学が増えています。専門学校は体験授業を実施しているところも多いため、雰囲気を確かめることができます。
在学生・卒業生の体験談を読む:SNSやブログで実際に通っている方の体験談を探してみましょう。公式情報では見えにくいリアルな声が参考になります。
ハローワークの職業訓練情報を確認する:専門学校の中にはハローワーク経由の職業訓練として受講できるものもあります。対象講座であれば、学費の自己負担なく学べる可能性もあります。


どちらを選んでも必要になる学習用の端末
通信制大学ならレポート提出とオンライン授業、専門学校なら課題制作と就職活動の情報収集と、どちらの進路でもパソコンを使う時間は確実に増えます。入学前に自分の端末で足りるかどうかを確認しておくと安心です。
まとめ
通信制大学と専門学校は、それぞれ異なる強みを持っています。大卒資格を取りたい方・働きながら学びたい方には通信制大学、実技系の資格を取って短期間で就職したい方には専門学校が向いています。
大切なのは、自分の目的やライフスタイルに合った選択をすることです。迷ったときは、両方の資料を取り寄せて比較してみることをおすすめします。
参考リンク:
🐹 レポートでつまずく人が、いちばん多い
通信制大学で一番多くの人がつまずくのがレポートです。書き方の型を教えてくれる本が1冊あるかないかで、かかる時間はまるで変わります。レポート作成を助けてくれる本と文房具を選んでご紹介しています。毎回ゼロから悩んでいる方は、まずこちらをご覧ください。






