数学の教員免許を取得できる通信制大学があることをご存じでしょうか。理系科目の教員免許は通信では取りにくいというイメージがありますが、実際にはいくつかの通信制大学が数学の教員免許取得課程を設けています。
この記事では、通信制大学で数学の教員免許(中学校・高等学校)を取得するための具体的な方法、対応大学の一覧、費用や期間、そして注意点まで詳しく解説していきます。

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数学の教員免許の種類と概要
数学の教員免許には、以下の種類があります。
- 中学校教諭一種免許状(数学):4年制大学で所定の単位を修得して卒業すると取得できる
- 中学校教諭二種免許状(数学):短期大学で所定の単位を修得して卒業すると取得できる
- 高等学校教諭一種免許状(数学):4年制大学で所定の単位を修得して卒業すると取得できる(高校は一種のみ)
通信制大学では、中学校と高校の両方の数学教員免許を同時に取得できる大学もあります。
数学の教員免許が取得できる通信制大学
数学の教員免許に対応した通信制大学は、英語や社会などの文系科目と比べると選択肢が限られているのが現状です。記事執筆時点で対応している主な大学を紹介します。
佛教大学 通信教育課程
京都に本部を置く佛教大学は、課程本科で中学校教諭一種免許状(数学)と高等学校教諭一種免許状(数学)の取得に対応しています。通信教育課程としての歴史が長く、教員免許取得の実績が豊富です。すでに大学を卒業している方は、必要な科目のみを履修する課程本科に入学して最短2年で免許取得を目指せます。
詳しくは佛教大学通信教育課程の公式サイトを確認してください。
明星大学 通信教育部
東京都日野市に本部を置く明星大学は、通信教育部で中学校・高等学校の数学教員免許取得に対応しています。在籍者数が多く、学習サポートが充実している点が特徴です。スクーリングは東京を中心に実施されており、対面で指導を受けることができます。
玉川大学 通信教育部
東京都町田市にある玉川大学は、教員養成に定評のある大学です。通信教育部でも数学の教員免許取得に対応しており、毎年多数の教員採用試験合格者を輩出しています。教育学部で培われた質の高い教員養成カリキュラムが通信課程でも提供されています。
北海道情報大学 通信教育部
北海道情報大学は、IT・情報系に強い大学ですが、通信教育部で数学の高等学校教諭一種免許状の取得にも対応しています。すでに教員免許を持っている方が数学の免許を追加取得する場合は、最短半年・スクーリングなしで取得できる可能性があります。
詳しくは北海道情報大学通信教育部の教職課程ページを確認してください。
帝京平成大学 通信教育課程
帝京平成大学の通信教育課程でも、数学の教員免許取得に対応しています。大学院レベルの専修免許状を目指すことも可能です。

数学教員免許の取得に必要な科目と学習内容
数学の教員免許を取得するには、教職に関する科目に加えて、以下のような教科専門科目を履修する必要があります。
主な履修科目
- 代数学:群論、環論、体論などの抽象代数学
- 幾何学:ユークリッド幾何、位相幾何学の基礎
- 解析学:微分積分学、微分方程式、複素解析
- 確率論・統計学:確率分布、統計的推定・検定の基礎
- コンピュータ:プログラミングの基礎、数値計算
- 数学科教育法:数学の授業設計、教材研究、模擬授業
大学レベルの数学は高校数学とはレベルが大きく異なり、抽象的な概念や証明が中心となります。高校数学が得意だった方でも、大学数学の学習には一定の覚悟と努力が必要です。
数学の専門科目は、テキスト学習だけでは理解が難しい場合があります。スクーリングで対面指導を受けたり、参考書を複数用意したりして、理解を深める工夫が大切です。通信制ならではの自学自習が求められる科目です。
取得までの流れ
入学から免許取得まで
- 入学形態の選択:1年次入学(最短4年)、3年次編入(最短2年)、科目等履修生(必要科目のみ)から選ぶ
- テキスト学習とレポート作成:自宅で教科書を読み、レポートを作成して提出する。合格するまで再提出が必要
- スクーリング参加:一部科目は対面授業(スクーリング)への参加が必須
- 単位修得試験:レポート合格後、科目ごとの試験に合格して単位を取得
- 教育実習:中学校免許は3〜4週間、高校免許は2〜3週間の教育実習が必要
- 卒業・免許申請:すべての要件を満たして卒業後、教育委員会に免許を申請
費用と期間の目安
- 正科生1年次入学:4年間で総額約70万〜100万円
- 3年次編入:2年間で総額約40万〜60万円
- 科目等履修生(別教科免許保持者):約15万〜30万円、期間は半年〜1年
- スクーリング交通費・宿泊費、教育実習関連費用は別途
通学制の理学部や教育学部と比較すると、学費は大幅に抑えられます。ただし、数学科目のスクーリングは必修となる場合が多いため、スクーリング費用も含めて予算を組んでおきましょう。

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数学教員の需要と将来性
数学教員は、全国的に人材不足が指摘されている教科のひとつです。特に中学校・高等学校では数学の教員が足りていない地域があり、教員採用試験の倍率も他の教科と比べて低めの傾向があります。
理数教育の重要性は年々高まっており、プログラミング教育やデータサイエンスの基礎として数学的思考力を育てる教育が求められています。数学教員の需要は今後も安定して続くと見られています。
Q&A:通信制大学での数学教員免許に関するよくある質問
Q. 文系出身でも数学の教員免許は取れますか?
取得は可能ですが、大学レベルの数学(代数学、解析学、幾何学など)の学習には相応の努力が求められます。高校数学の基礎がしっかりしていることが前提となるため、必要に応じて高校数学の復習から始めるとよいでしょう。
Q. 情報の教員免許と数学の教員免許を同時に取ることはできますか?
大学によっては、数学と情報の教員免許を同時に取得できるカリキュラムを用意しているところもあります。北海道情報大学の通信教育部などが該当します。数学と情報の両方の免許を持つことで、就職先の選択肢がさらに広がります。
Q. 通信制大学出身で教員採用試験に合格できますか?
通信制大学出身であることが教員採用試験で不利になることはありません。取得する教員免許状は通学制と全く同じものです。採用試験では、教科の専門知識と面接での人物評価が重視されます。
🐹 通信制大学の学習効率を上げるには、テキスト以外にも市販の参考書を併用するのがコツです。通信制大学の勉強に役立つ本をまとめましたので、数学科目の理解にも活用してみてください。



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数学教員を目指す社会人へのアドバイス
大学数学の学び方
通信制大学で数学教員免許を取得するうえで、多くの方が苦労するのが大学レベルの数学(特に代数学や解析学)です。高校までの数学は計算力が中心でしたが、大学数学では定理の証明や抽象的な概念の理解が求められます。
効果的な学び方としては、まず教科書を通読して全体像を把握し、次に例題を自分の手で解き、最後に演習問題に取り組むという3ステップがおすすめです。わからない部分は参考書を複数参照したり、YouTube等の数学解説動画を活用したりすると理解が深まります。
数学教員に求められる力
数学教員に最も求められるのは、難しい概念をわかりやすく説明する力です。自分が理解していることと、それを生徒に伝えられることは全く別のスキルです。通信制大学の「数学科教育法」の授業では模擬授業を行う機会があるため、教え方の技術を実践的に学ぶことができます。
数学教員のキャリアパスと年収
数学教員として採用された後のキャリアパスは多彩です。学級担任、学年主任、教科主任、教務主任といった校内でのキャリアアップに加えて、教頭・副校長・校長といった管理職への道もあります。専修免許状を取得して指導教諭を目指す方もいます。
公立学校教員の年収は、勤務地域や経験年数によって異なりますが、初任給は月額約22万〜25万円程度で、経験を積むにつれて昇給し、ベテラン教員になると年収600万〜800万円程度になることが一般的です。福利厚生も充実しており、安定した職業といえます。数学教員の働き方については文部科学省の教員に関するページも参考になります。
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教育訓練給付金で数学教員免許の学費を軽減
数学教員免許の取得を目指す社会人は、教育訓練給付金制度の活用を検討しましょう。雇用保険に一定期間加入している方であれば、通信制大学の学費の一部がハローワークから支給される可能性があります。
通信制大学の教員免許取得課程が教育訓練給付金の対象になっているかどうかは、大学によって異なります。入学前に各大学の公式サイトや、ハローワークの教育訓練給付金の検索システムで確認してください。
数学教員の働き方改革と最新動向
教員の長時間労働は社会問題となっていますが、部活動の地域移行やICTの活用など、働き方改革が進んでいます。採点業務のデジタル化やオンライン教材の活用によって、教員の事務的な負担は徐々に軽減されつつあります。
また、GIGAスクール構想の推進により、タブレットを使った授業が普及しています。数学教員としてデジタルツールを活用した指導ができることは、これからの教育現場で大きなアドバンテージとなります。プログラミング教育と数学は関連性が深いため、プログラミングの知識を持つ数学教員は特に重宝されます。
数学教員免許を取得した後の教員採用試験対策
通信制大学で数学教員免許を取得したら、次のステップは教員採用試験の合格です。数学の教員採用試験では、大学入試レベル以上の数学の専門問題に加えて、教職教養、一般教養、小論文、面接、模擬授業などが課されます。
数学の専門試験対策としては、通信制大学で学んだ内容の復習に加えて、過去問を繰り返し解くことが効果的です。各自治体の過去問題は書籍として出版されていたり、教育委員会のWebサイトで公開されていたりします。
また、模擬授業対策も重要です。自宅でホワイトボードを使って練習する方法や、同じ目標を持つ仲間と一緒に模擬授業を行い、互いにフィードバックし合う方法があります。教員採用試験対策用の参考書や予備校を活用するのも効果的な方法です。
まとめ
通信制大学で数学の教員免許を取得するルートは、社会人がキャリアチェンジを目指す際の有力な選択肢です。対応大学は佛教大学、明星大学、玉川大学、北海道情報大学、帝京平成大学など限られていますが、それぞれに特色のあるカリキュラムが用意されています。
数学の専門科目は決して簡単ではありませんが、全国的に数学教員の需要が高いことを考えると、免許取得後のキャリアには大きな可能性があります。まずは各大学の資料を請求して、自分の状況に合ったルートを探してみてください。
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