福祉分野で働きたい、キャリアアップしたいと考えている社会人にとって、通信制大学は福祉系の国家資格を目指す有力な手段です。働きながら学べる柔軟な学習スタイルで、社会福祉士や精神保健福祉士をはじめとする福祉の資格取得を目指すことができます。
この記事では、通信制大学で取得を目指せる福祉関連の資格を一覧で紹介し、それぞれの資格の特徴や対応大学、取得にかかる期間と費用をまとめていきます。

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通信制大学で受験資格を取得できる福祉の国家資格
まずは、通信制大学で受験資格(または資格そのもの)を取得できる福祉系の国家資格を確認しましょう。
1. 社会福祉士
福祉系国家資格の中でもっとも幅広い分野で活躍できる資格です。高齢者、障がい者、児童、生活困窮者など、さまざまな福祉領域で相談援助を行うソーシャルワーカーとして働くことができます。
- 管轄:厚生労働省
- 主な職場:地域包括支援センター、社会福祉協議会、病院、行政機関、福祉施設など
- 通信制大学での取得:可能(指定科目の履修+実習が必要)
- 国家試験合格率:例年30%前後
日本福祉大学は社会福祉士の国家試験合格者数で通信制大学としてトップクラスの実績を持っています。東京通信大学、聖徳大学なども社会福祉士の受験資格取得に対応しています。
2. 精神保健福祉士
精神障がい者の社会復帰支援や相談援助を行う専門職です。メンタルヘルスの重要性が増す現代社会で、需要が高まっている資格です。
- 管轄:厚生労働省
- 主な職場:精神科病院、障害者支援施設、就労支援事業所、行政機関、企業のEAP部門など
- 通信制大学での取得:可能(指定科目の履修+精神保健福祉援助実習が必要)
- 国家試験合格率:例年70%前後
社会福祉士と精神保健福祉士は共通科目が多いため、ダブル受験で両方の資格を同時に目指す方も少なくありません。日本福祉大学や東京通信大学では、両方の受験資格を同時に取得できるカリキュラムが用意されています。


通信制大学で取得できるその他の福祉系資格
国家資格以外にも、通信制大学で取得を目指せる福祉関連の資格があります。
3. 社会福祉主事任用資格
社会福祉主事は、福祉事務所の現業員(ケースワーカー)として働くための任用資格です。「任用資格」とは、その職に就いたときに効力を発揮する資格で、資格そのものが就職を保証するわけではありませんが、福祉分野への就職の際に基本的な要件として求められることが多いです。
- 取得方法:大学で厚生労働大臣の指定する科目のうち3科目以上を修得して卒業
- 通信制大学での取得:可能(指定科目を含む卒業で自動的に取得)
4. 児童福祉司任用資格
児童相談所で相談援助に従事するための任用資格です。社会福祉士の資格を持っていれば取得できる場合があり、通信制大学で社会福祉士の受験資格を取得し、国家試験に合格することで、児童福祉司としての道が開けます。
5. 児童指導員任用資格
児童養護施設や放課後等デイサービスなどで児童の指導・支援を行うための任用資格です。社会福祉学、心理学、教育学、社会学のいずれかの学部・学科を卒業していれば取得できるケースがあり、通信制大学の該当学部の卒業で取得可能です。
6. 認定心理士
日本心理学会が認定する心理学の基礎資格です。国家資格ではありませんが、心理学の基礎的な知識・技能を持つことの証明になります。福祉と心理学を組み合わせた専門性を身につけたい方に適しています。
- 取得方法:心理学関連の所定単位を修得して申請
- 通信制大学での取得:可能(心理学系の学部を持つ大学で対応)
通信制大学では取得できない福祉系資格
一方で、通信制大学だけでは取得できない福祉系の資格もあります。混同しやすいのでここで整理しておきましょう。
- 介護福祉士:実技スキルが必須のため、通信制大学だけでは受験資格を取得できない。実務経験3年以上+実務者研修修了が必要
- ケアマネジャー(介護支援専門員):介護福祉士や社会福祉士などの資格を持ったうえで、5年以上の実務経験が必要
- 公認心理師:大学での所定科目の履修に加え、大学院での学習または実務経験が必要。一部の通信制大学で学部段階の科目を履修できるが、大学院段階は通学が必要なケースが多い
福祉系通信制大学の選び方
福祉資格の取得を目的に通信制大学を選ぶ際のチェックポイントを紹介します。
取得したい資格に対応しているか
もっとも基本的なポイントです。社会福祉士と精神保健福祉士では対応している大学が異なる場合があります。両方を同時に目指すなら、ダブル取得に対応したカリキュラムを持つ大学を選びましょう。
国家試験の合格実績
通信制大学によって国家試験の合格率には大きな差があります。合格実績が高い大学は、試験対策のサポートが充実している傾向があります。
実習先の確保
社会福祉士・精神保健福祉士の受験資格取得には実習が必要です。実習先の紹介や調整をサポートしてくれる大学を選ぶと安心です。特に、自宅近くで実習を行いたい場合は、全国に実習協力機関を持つ大学が有利です。
学費と給付金対応
学費の総額に加えて、教育訓練給付金の対象講座に指定されているかどうかも重要です。給付金を利用できれば、学費負担を大幅に軽減できます。
対応大学の比較一覧
- 日本福祉大学:社会福祉士・精神保健福祉士のダブル取得可能、合格実績トップクラス
- 東京通信大学:完全オンライン対応、精神保健福祉士合格率が高い、学費が比較的安い
- 聖徳大学:社会福祉士・精神保健福祉士に対応、国家試験対策が手厚い
- 東京福祉大学:社会福祉士・精神保健福祉士に対応、福祉系の学部が充実
- 佛教大学:社会福祉学部で社会福祉士の受験資格取得に対応
- 東北福祉大学:福祉系の名門、通信教育部で社会福祉士・精神保健福祉士の受験資格取得が可能


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福祉資格を取得した後のキャリアパス
福祉系の資格を取得した後、どのようなキャリアが開けるのかも把握しておきましょう。
社会福祉士のキャリアパス
地域包括支援センター、社会福祉協議会、病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)、行政機関の福祉担当など、幅広い分野で活躍できます。経験を積めば、施設長や管理者への昇進も可能です。独立型の社会福祉士事務所を開設する道もあります。
精神保健福祉士のキャリアパス
精神科病院やクリニック、障害者就労支援事業所、行政機関の精神保健福祉センターなどが主な職場です。企業のメンタルヘルス担当やEAP(従業員支援プログラム)の専門職としての需要も増えています。
ダブルライセンスのメリット
社会福祉士と精神保健福祉士の両方を持っていれば、高齢者福祉から精神保健まで幅広い福祉ニーズに対応できるため、転職市場での価値が高まります。さらに介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得すれば、福祉分野でのキャリアの選択肢が大きく広がります。
福祉資格取得にかかる費用の目安
通信制大学で福祉の資格を取得する場合、どのくらいの費用がかかるのかをまとめておきます。
社会福祉士の受験資格取得
- 1年次入学(4年間):80万〜130万円程度
- 3年次編入(2年間):40万〜80万円程度
- 実習費:5万〜15万円程度(別途)
- 国家試験受験料:19,370円
精神保健福祉士の受験資格取得
- 1年次入学(4年間):80万〜130万円程度
- 短期養成施設(通信制):25万〜40万円程度
- 実習費:5万〜15万円程度(別途)
- 国家試験受験料:24,140円
ダブル取得の場合
社会福祉士と精神保健福祉士を同時に目指す場合、別々に取得するよりも共通科目の分だけ費用と時間を節約できます。4年間の総額は100万〜150万円程度が目安です。通学制の大学で同じ資格を目指すと300万円以上かかることを考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いといえます。
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福祉資格の今後の需要と将来性
福祉系の資格は、今後も安定した需要が見込まれる分野です。その背景にある社会的な要因を押さえておきましょう。
高齢化社会の進行
日本は世界でもトップクラスの高齢化率を持つ国です。高齢者の増加に伴い、福祉サービスの需要は今後も拡大し続ける見通しです。社会福祉士やケアマネジャーの活躍の場はますます広がっていきます。
メンタルヘルスへの注目
職場のストレスや社会的孤立の問題が深刻化するなか、精神保健福祉士への需要は今後さらに高まることが予想されます。企業のメンタルヘルス対策の強化により、産業分野での活躍の場も増えています。
地域包括ケアシステムの推進
住み慣れた地域で暮らし続けられる社会の実現に向けて、地域包括ケアシステムの構築が進められています。このシステムの中で中心的な役割を果たすのが社会福祉士をはじめとする福祉の専門職です。地域に根ざした福祉サービスを支える人材として、今後も重要な存在であり続けるでしょう。
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よくある質問(Q&A)
Q. 社会福祉士と精神保健福祉士、どちらを先に取るべき?
A. 可能であれば同時取得がおすすめです。共通科目が多いため、一度の在学で両方の受験資格を取得するのが最も効率的です。どちらか一方を先に取る場合は、より幅広い分野で活躍できる社会福祉士を先に取得する方が多いです。
Q. 福祉の経験がなくても通信制大学で学べる?
A. もちろん学べます。通信制大学の福祉系学部は、未経験者でも基礎から体系的に学べるカリキュラムになっています。ただし、実習があるため、実習期間中は一定の時間を確保する必要があります。
Q. 通信制大学の福祉系学部の卒業率は?
A. 大学や学部によって異なりますが、通信制大学の卒業率は一般的に通学制より低い傾向があります。日本福祉大学のように卒業率の高さを公表している大学もあるので、入学前に確認しておくとよいでしょう。
受験資格を取ったあとの「国家試験対策」で使われている教材
通信制大学で得られるのはあくまで受験資格で、そのあとに国家試験が待っています。社会福祉士は出題科目が非常に多いため、全体を1冊で見渡せるテキストを軸にして、大学の科目学習と並行して読み進める方が多いです。
精神保健福祉士とのダブル取得を狙う場合は、共通科目の重なりを活かすために過去問で出題の重複を確認しておくという進め方もあります。どの年度版を選ぶかは試験の実施年に合わせて、各ショップで確認してみてください。
まとめ
通信制大学で取得を目指せる福祉の資格は、社会福祉士と精神保健福祉士が二大柱です。これに加えて、社会福祉主事任用資格や児童指導員任用資格なども卒業と同時に取得できるケースがあります。
福祉資格を取得することで、社会貢献度の高い専門職としてのキャリアが開けます。通信制大学なら働きながらでも無理なく学べるので、福祉分野に興味がある方はぜひ検討してみてください。
福祉系通信制大学の選び方は福祉系通信制大学まとめが参考になります。日本福祉大学の詳細は公式サイトで確認できます。また、通信制大学で取得できる資格全般については通信制大学で取得できる資格一覧もあわせてチェックしてみてください。


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