「通信制大学はやめたほうがいい」——ネット上にはこんな声があふれています。しかし、その多くは誤解や一部の体験に基づいた意見であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
文部科学省に認定された通信制大学を卒業すれば、通学制とまったく同じ「学士」の学位を取得できます。この記事では、「やめたほうがいい」と言われる理由を一つずつ検証し、その実態と後悔しないための大学選びのポイントを詳しく解説します。通信制大学への入学を迷っている方は、ぜひ冷静な判断材料として読んでみてください。

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「通信制大学はやめたほうがいい」と言われる5つの理由
まずは、よく挙げられる否定的な意見とその実態を見ていきましょう。結論から言うと、正しく理解すれば不安の多くは解消できます。
理由1:卒業率が低い
通信制大学の卒業率は、一般的に約15〜20%程度と言われています。通学制の大学の卒業率が約90%であることと比べると、確かに低い数字です。
しかし、卒業率が低い最大の理由は「途中で学ぶ必要がなくなった」「特定の科目だけ履修したかった」というケースが含まれているためです。科目等履修生として入学し、教員免許に必要な科目だけ取得して退学する方や、資格取得に必要な単位だけを取って目的を達成した方も「非卒業者」としてカウントされています。全員が卒業を目指しているわけではないのです。
実際、産業能率大学の通信教育課程は卒業率約70%を誇っており、大学の学習サポート体制によって卒業率には大きな差があります。卒業率が高い大学を選べば、この不安は大幅に軽減できます。
理由2:就職に不利になる
「通信制大学卒は就職で不利」という声もありますが、法的には通学制と同等の学位です。文部科学省が認定している正規の大学であり、履歴書にも「○○大学 卒業」と記載できます。
企業の人事担当者の多くは通信制大学について正しく認識しており、「働きながら大学を卒業した」という事実を高く評価するケースも少なくありません。特に社会人採用では、通信制大学で学位を取得したことが「向上心がある」「自己管理ができる」という評価につながることもあります。
もちろん、新卒採用で大手企業を目指す場合は通学制と比べて不利な面があるかもしれませんが、すでに社会人として実務経験がある方にとっては、通信制か通学制かよりも実績やスキルのほうが重視されます。
理由3:学歴にならない
これは完全な誤解です。通信制大学を卒業すれば「大学卒業(学士)」の学歴として認められます。高卒から通信制大学を卒業すれば、最終学歴は「大卒」に変わります。
BrushUP学びの通信制大学情報でも解説されているとおり、文部科学省に認可された正規の教育機関であり、卒業証書も通学制と同じ形式で発行されます。
理由4:一人で勉強を続けるのが大変
これは確かに通信制大学の課題の一つです。自宅学習が中心となるため、自己管理能力とモチベーション維持が求められます。誰かに「今日も授業あるよ」と促されることがないため、すべて自分次第です。
しかし、近年の通信制大学ではオンラインでの学生交流の場やSNSコミュニティなど、孤独を感じにくい仕組みを整えている大学が増えています。X(旧Twitter)の「#通信制大学」タグでは、多くの学生が日々の学習状況を共有し、励まし合っています。一人ではなく「一緒に頑張る仲間」を見つけることで、この課題は大きく軽減できます。
理由5:学費が無駄になるかもしれない
通信制大学の学費は通学制と比べて大幅に安く、年間10〜30万円程度が一般的です。4年間の総額でも40〜120万円ほどで、通学制の私立大学(4年間で約400万円)と比較すると、リスクは限定的です。
さらに、多くの通信制大学では休学制度が整っており、一時的に学業を中断しても在籍を維持できます。仕事が忙しくなった時期に休学し、落ち着いてから復帰するという柔軟な学び方も可能です。
通信制大学が向いている人の特徴
通信制大学が合う人・合わない人は確かに存在します。以下の特徴に当てはまる方には、通信制大学は非常に相性の良い選択肢です。
- 明確な目的がある人:「大卒資格を取りたい」「教員免許がほしい」「社会福祉士を目指したい」など、ゴールが明確な人は挫折しにくい
- 自己管理ができる人:自分でスケジュールを立て、計画的に学習を進められる人
- 働きながら学びたい人:仕事と学業を両立させたい社会人にとって、通信制は最適な環境
- マイペースに学びたい人:自分のペースで学習を進められるため、ゆっくり確実に学びたい方に向いている
- 費用を抑えたい人:通学制と比べて圧倒的に学費が安いため、コスパを重視する方に最適
- 地方在住の人:近くに通える大学がない地方在住者にとって、通信制は学びの機会を得る貴重な手段
通信制大学が向いていない人の特徴
一方で、以下のような方は慎重に検討したほうがよいかもしれません。ただし、自覚したうえで対策を取れば克服できるものも多いです。
- キャンパスライフを楽しみたい人:サークル活動やキャンパスでの交流を重視するなら通学制が向いています
- 一人では勉強が続かない人:周りに人がいないと集中できないタイプの方には厳しい面がありますが、カフェや図書館での学習、オンライン勉強会への参加で対策可能です
- 目的が曖昧な人:「なんとなく大卒資格がほしい」程度の動機では、途中で挫折する可能性が高くなります。まずは目的を明確にしましょう

後悔しない通信制大学の選び方
「やめたほうがいい」と後悔する人の多くは、大学選びの段階でミスマッチが起きています。後悔を避けるための具体的なチェックポイントを5つ紹介します。
チェック1:卒業率を確認する
卒業率が高い大学は、学習サポートが充実している証拠です。産業能率大学(約70%)や大手前大学、東京通信大学などは卒業率が比較的高く、初めて通信制大学に通う方にも安心です。各大学の公式サイトで卒業率を公開しているので、必ず確認しましょう。
チェック2:スクーリングの有無と形態
通学が難しい方は、スクーリングが完全オンラインで完結する大学を選びましょう。大手前大学やサイバー大学、東京通信大学は完全オンラインで卒業可能です。一方で、対面のスクーリングには「同級生と直接交流できる」「集中して学べる」というメリットもあるので、自分のスタイルに合わせて選んでください。
チェック3:目的に合った資格が取れるか
教員免許、社会福祉士、認定心理士、学芸員、図書館司書など、取得したい資格がある場合は、その資格に対応したカリキュラムがあるか確認してください。大学によって取得できる資格は大きく異なります。資格取得が目的の方は、資格取得実績の高い大学を優先的に検討するのがおすすめです。
チェック4:学費の総額を試算する
入学金、授業料だけでなく、テキスト代、スクーリング費用、試験受験料、卒論指導料なども含めた総額を事前に試算しましょう。スクーリングなし通信制大学ガイドなどの比較サイトを活用すると、複数の大学を効率よく比較できます。
チェック5:学習サポート体制
質問への対応スピード、学習相談窓口の有無、学生同士のコミュニティの充実度など、サポート体制は大学によって大きく異なります。特に「質問をしてから回答が来るまでの日数」は、学習のモチベーションに直結する重要なポイントです。入学説明会やオープンキャンパスに参加して、サポート体制を直接確認するのがベストです。
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通信制大学と通学制大学の具体的な違い
「やめたほうがいい」と判断する前に、通信制と通学制の違いを客観的に比較しておきましょう。
| 項目 | 通信制大学 | 通学制大学 |
|---|---|---|
| 学費(4年間) | 約40〜120万円 | 約200〜600万円 |
| 通学 | 基本不要(オンライン中心) | 毎日通学が必要 |
| 学位 | 学士(通学制と同等) | 学士 |
| 入試難易度 | 書類選考中心(入りやすい) | 学力試験あり |
| 卒業難易度 | 自己管理が必要で高め | 出席+試験で比較的容易 |
| 交友関係 | 限定的だが可能 | 充実(サークル等) |
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通信制大学を卒業した人のリアルな声
実際に通信制大学を卒業した方の声を見ると、ポジティブな意見が多いことがわかります。
- 「40代で大卒資格を取得し、昇給につながった。頑張ってよかった」
- 「教員免許を取得して、念願の教師になれた。通信制でなければ実現できなかった」
- 「働きながら学ぶ経験が、自信につながった。自分にもやれるんだという気持ちが芽生えた」
- 「学費が安いので、経済的な負担が少なく助かった。奨学金の返済に苦しむこともなかった」
一方で、後悔の声としては「もっと学習計画を立てるべきだった」「一人で続けるのが想像以上に大変だった」「もっと早くスクーリングに参加して仲間を作ればよかった」といったものがあります。いずれも事前に対策できることばかりなので、この記事の情報を参考に準備を進めてください。


よくある質問(Q&A)
Q. 通信制大学の学位は転職で使えますか?
A. はい、使えます。通信制大学の学位は法的に通学制と同等の扱いです。「高卒」から「大卒」に学歴が変わることで、応募できる求人の幅が大きく広がります。特に「大卒以上」が応募条件の求人に挑戦できるようになるのは大きなメリットです。
Q. 通信制大学は何歳からでも入学できますか?
A. 入学資格を満たしていれば、年齢制限はありません。実際に50代・60代の学生も多く在籍しています。学び直しや生涯学習として通信制大学を選ぶシニア世代も増加傾向にあります。
Q. 途中で退学しても学費は返ってきますか?
A. 一般的に、すでに納入した学費の返還は難しいです。ただし、大学によっては休学制度を利用して在学期間を延ばすことも可能です。退学を考える前に、まず休学を検討しましょう。通信制大学の学費は通学制より安いため、万が一退学しても経済的なダメージは比較的小さく済みます。
Q. 通信制大学を複数校同時に通えますか?
A. 正科生として2つの大学に同時在籍することは原則できません。ただし、科目等履修生として別の大学の講義を受けることは可能な場合があります。
Q. 通信制大学は入試がありますか?
A. 多くの通信制大学では、学力試験はなく書類選考のみで入学できます。高校卒業(または同等の資格)があれば入学可能なケースがほとんどです。ただし、慶應義塾大学など一部の大学では志望理由書の審査が厳しいこともあります。
Q. 通信制大学で学んだことは仕事に活かせますか?
A. はい、多くの卒業生が学んだ知識を仕事に活かしています。経営学を学んでマネジメント能力を高めた方、心理学を学んで対人スキルを向上させた方、IT分野を学んでキャリアチェンジを実現した方など、活かし方は人それぞれです。


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まとめ:「やめたほうがいい」は全員に当てはまらない
通信制大学が「やめたほうがいい」と言われる理由の多くは、誤解か、特定の条件下での話です。自分に合った大学を選び、明確な目的を持って取り組めば、通信制大学は社会人にとって最もコスパの良い学びの手段になり得ます。
大切なのは、「なぜ学びたいのか」を明確にし、自分のライフスタイルに合った大学を選ぶことです。安易に「やめたほうがいい」という声に流されず、自分の目で情報を確認し、納得のいく選択をしてください。一歩踏み出す勇気が、あなたの未来を大きく変えるかもしれません。
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