中学校の教員免許を通信制大学で取得できることをご存じでしょうか。国語、社会、数学、理科、英語、音楽、美術など幅広い教科の教員免許に対応した通信制大学があり、社会人が働きながらでも中学校教員を目指せる環境が整っています。
この記事では、通信制大学で中学校教員免許を取得するための具体的な方法、教科別の対応大学、費用や期間、そして小学校教員免許との違いまで、詳しく解説していきます。

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中学校教員免許の種類と仕組み
中学校教員免許は、小学校教員免許と違って教科ごとに取得する仕組みになっています。つまり、国語の教員免許なら国語しか教えられません。
免許状の種別
- 一種免許状:4年制大学で所定の単位を修得して卒業すると取得。通信制大学での取得が可能
- 二種免許状:短期大学で所定の単位を修得して卒業すると取得。一部の通信制大学でも対応
- 専修免許状:大学院修士課程を修了して取得。管理職を目指す方向け
中学校教員免許で教えられる教科
中学校で教えられる教科は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術、家庭、英語などがあります。通信制大学で取得できる教科は大学によって異なりますが、国語・社会・英語などの文系教科は対応大学が多い傾向があります。
教科別:中学校教員免許が取得できる通信制大学
教科ごとに対応している主な通信制大学を紹介します。
国語
国語の教員免許は、日本大学、佛教大学、聖徳大学、明星大学、法政大学、玉川大学などの通信教育課程で取得できます。対応大学が比較的多い教科です。
社会
社会の教員免許は、日本大学、佛教大学、法政大学、慶應義塾大学、玉川大学、聖徳大学などで取得できます。高校の地理歴史・公民の免許と合わせて取得するケースも多いです。
数学
数学は佛教大学、明星大学、玉川大学、北海道情報大学、帝京平成大学などが対応しています。理系科目のため対応大学は少なめですが、教員不足が深刻な教科でもあります。
英語
英語は佛教大学、日本大学、聖徳大学、星槎大学、明星大学などが対応しています。中学校と高校の英語免許を同時に取れる大学がほとんどです。
理科
理科の教員免許に対応した通信制大学は非常に少ないのが現状です。明星大学が対応していますが、実験科目のスクーリングが多くなるため、通信制ならではの柔軟さが制限される面があります。
音楽・美術
音楽や美術の教員免許は、明星大学などの一部の通信制大学で取得できます。実技科目が多いため、スクーリングの回数が他教科より多くなる傾向があります。

中学校教員免許の取得に必要なこと
必要な単位
中学校教諭一種免許状の取得には、文部科学省が定めた所定の単位を修得する必要があります。大きく分けると以下の3種類です。
- 教職に関する科目:教育原理、教育心理学、教育方法論、生徒指導、教育相談、道徳教育の理論と方法など
- 教科に関する科目:選択した教科の専門科目(英語なら英語学・英米文学など)
- 教科の指導法に関する科目:教科教育法(模擬授業の実施を含む)
教育実習
中学校教員免許の教育実習は3〜4週間が一般的です。受け入れ先は原則として自分で確保する必要があり、母校に依頼するケースが多いです。
介護等体験
中学校教員免許の取得には、社会福祉施設で5日間、特別支援学校で2日間、合計7日間の介護等体験が必須です。これは小学校教員免許でも同様ですが、高校教員免許では不要です。
教育実習と介護等体験の期間を合わせると、約1か月間は仕事を休む必要があります。社会人の方はこの期間の確保が最も大きなハードルになるため、早めに職場と相談しておくことが重要です。
費用と期間の目安
- 正科生1年次入学:最短4年、総額約70万〜120万円
- 3年次編入:最短2年、総額約40万〜70万円
- 科目等履修生(大卒者):最短1〜2年、総額約20万〜50万円
- 別教科の免許保持者:最短半年〜1年、総額約15万〜30万円
通学制の大学で中学校教員免許を取得する場合と比べると、通信制大学の費用は3分の1以下に抑えられるケースがほとんどです。
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中学校教員免許と高校教員免許の同時取得
中学校と高校の教員免許を同時に取得できる通信制大学は多くあります。両方を同時に取得すれば、就職先の選択肢が大幅に広がります。中高一貫校への応募も可能になりますし、教員採用試験でも中高両方の免許を持っていることが有利に働く場合があります。
同時取得する場合、追加で履修が必要な科目はそれほど多くないため、費用面の負担も大きくありません。可能であれば同時取得を目指すことをおすすめします。


中学校教員の需要と教員採用試験
中学校教員の教員採用試験は、教科によって倍率が大きく異なります。一般的に、英語や数学、理科などの教科は倍率が比較的低めで、国語や社会は倍率が高い傾向があります。
近年は教員のなり手不足が社会問題となっており、多くの自治体で社会人経験者を対象とした特別選考が設けられています。民間企業での経験は面接で評価されるポイントにもなるため、社会人からの転職は決して不利ではありません。
Q&A:通信制大学での中学校教員免許に関するよくある質問
Q. 部活動の顧問もやることになりますか?
中学校では部活動の顧問を担当するケースが多いですが、近年は部活動の地域移行が進められており、教員の負担軽減に向けた改革が行われています。部活動への関わり方は学校や自治体によって異なります。
Q. 2つの教科の免許を同時に取ることはできますか?
大学によっては、2教科の免許を同時に取得できるカリキュラムが用意されています。ただし、履修する科目数が増えるため、取得までの期間が長くなる可能性があります。まずは1教科を着実に取得してから、2教科目を追加するのが現実的なアプローチです。
Q. 非常勤講師として働きながら免許取得を目指せますか?
臨時免許状や特別免許状を活用して非常勤講師として働きながら、通信制大学で正規の教員免許取得を目指す方もいます。現場経験を積みながら学べるため、教育実習の際にも活きてきます。ただし、仕事と学習の両立は体力的に厳しい面もあるため、無理のない計画を立てましょう。
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中学校教員の仕事の特徴と魅力
思春期の生徒と向き合う
中学校は生徒が思春期を迎え、心身ともに大きく変化する時期です。多感な時期の生徒たちと信頼関係を築き、学力面だけでなく人間的な成長をサポートできるのが中学校教員の大きなやりがいです。反抗期で難しい面もありますが、その分だけ卒業後に「先生のおかげで」と感謝されたときの喜びは格別です。
専門教科の深い指導ができる
小学校教員が全教科を担当するのに対し、中学校教員は自分の専門教科に集中して深い指導ができます。教科の面白さを生徒に伝え、知的好奇心を刺激する授業ができるのは教科担任制の中学校ならではの魅力です。
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社会人から中学校教員になった方の体験
社会人から通信制大学で中学校教員免許を取得し、実際に教壇に立っている方は少なくありません。民間企業での営業経験を活かしてプレゼンテーション型の授業を行う方、IT企業出身の知識を活かしてICT教育を推進する方など、社会人経験は教育現場で大いに活きています。
文部科学省も社会人経験者の教員採用を推進しており、教員採用試験において社会人特別選考を設ける自治体が増えています。詳しくは文部科学省の教員採用に関するページを確認してください。
中学校教員免許取得に使える支援制度
教員免許取得のための学費負担を軽減できる支援制度もあります。
- 教育訓練給付金:厚生労働大臣が指定する講座を受講した場合、学費の一部が給付される制度。通信制大学の一部の講座が対象となっている
- 日本学生支援機構の奨学金:通信制大学の正科生も奨学金の対象となる場合がある
- 自治体の教員確保支援:教員不足が深刻な自治体では、免許取得のための費用を助成する制度を設けているケースもある
支援制度の詳細は日本学生支援機構の公式サイトで確認できます。
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教科ごとの教員採用試験の特徴
中学校教員の教員採用試験は、教科ごとに出題内容が異なります。主な教科の特徴を押さえておきましょう。
国語
古典(古文・漢文)から現代文、書写まで幅広い出題があります。倍率が比較的高い教科のひとつで、文学作品の深い理解力が問われます。
社会
地理・歴史・公民の3分野から出題されます。時事問題が出題されることもあるため、日常的にニュースをチェックしておくことが大切です。
英語
リスニングやスピーキングの実技試験が課される自治体が多いです。英検準1級以上の取得で一次試験の一部が免除される自治体もあります。
数学・理科
専門知識の深さが問われます。大学入試レベル以上の問題が出題されることもありますが、倍率は文系教科と比べて低い傾向にあります。
教育訓練給付金の活用方法
中学校教員免許の取得を目指す社会人は、教育訓練給付金制度を活用して学費負担を軽減できる可能性があります。雇用保険に加入している方が対象で、通信制大学の講座が厚生労働大臣の指定を受けていれば、受講費用の一部が支給されます。
対象講座かどうかは厚生労働省の教育訓練給付金ページで確認できます。入学前にハローワークの窓口で受給資格があるかを確認しておくとスムーズです。
中学校教員の年収と待遇
公立中学校教員の年収は、勤務する自治体や経験年数によって異なりますが、おおよその目安を紹介します。
初任給は月額約22万〜25万円程度で、手当(地域手当、通勤手当、住居手当など)を含めると年収は初年度で約330万〜380万円程度になります。経験を積むにつれて昇給し、30代後半から40代で年収500万〜600万円程度、ベテラン教員になると700万〜800万円程度になることが一般的です。
管理職(教頭・校長)に昇進すると、さらに年収が上がります。また、公立学校教員は公務員であるため、退職金制度や年金制度が充実しており、長期的な安定性が大きな魅力です。
私立中学校の場合は、学校によって給与体系が大きく異なります。一般的には公立と同等かそれ以上の待遇の学校が多いですが、事前に確認が必要です。
まとめ
通信制大学で中学校教員免許を取得することは、社会人がキャリアチェンジを実現するための有力な手段です。国語・社会・英語などの文系教科を中心に、対応している通信制大学は多数あります。数学や理科などの理系教科も、選択肢は限られるものの取得は可能です。
すでに大卒資格を持っている方なら最短2年程度で免許取得を目指せます。まずは自分が教えたい教科を決め、その教科に対応した通信制大学の資料を請求することから始めてみてください。
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