教員としてさらにステップアップしたい、あるいは教員免許を取得したうえで専修免許状まで目指したいと考える方もいるでしょう。そんな目標を持つ方にとって、教職大学院は有力な進学先になります。通信制大学を卒業してから教職大学院に進学することは、もちろん可能です。
この記事では、通信制大学から教職大学院へ進学するためのルートや、教職大学院の選び方のポイント、一般の大学院との違いなどを詳しく解説していきます。

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教職大学院とは何か
教職大学院は、高度な教育実践力を持つ教員を養成するための専門職大学院です。一般の教育学研究科(修士課程)とは異なり、実務に直結した教育プログラムを提供している点が特徴です。
教職大学院を修了すると「教職修士(専門職)」の学位が授与され、専修免許状の取得要件を満たすことができます。教職修士は、教員としてのキャリアアップや管理職を目指す際に有利に働きます。
- 修業年限:原則2年(長期履修制度を利用すれば3〜4年も可能)
- 取得学位:教職修士(専門職)
- 取得可能な免許:専修免許状
- 学びの特徴:学校現場での実習が重視される
一般の大学院(教育学研究科)との違い
教員免許の上級免許である専修免許状を取得するルートは、教職大学院だけではありません。一般の大学院(教育学研究科の修士課程)を修了しても専修免許状を取ることができます。では、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
教職大学院の特徴
実践力の養成に重点を置いており、学校現場での長期実習(10単位以上)が必須です。カリキュラムは授業づくり、学級経営、生徒指導、学校マネジメントなど、教員の実務に直結した内容が中心です。実務家教員(現場経験のある教員)が4割以上在籍している点も特徴です。
一般の教育学研究科の特徴
学術研究を重視しており、修士論文の執筆が求められます。教育学の理論や研究方法を深く学びたい方、将来的に研究者を目指す方に向いています。実習は教職大学院ほど重視されません。
教員としての実践力を高めたいなら教職大学院、教育学の研究を深めたいなら一般の大学院というのが基本的な選び方になります。


通信制大学から教職大学院に進学するための条件
教職大学院への入学には、基本的に以下の条件を満たす必要があります。
学士の学位
大学を卒業して学士の学位を有していることが条件です。通信制大学の学位でも問題なく受験資格を満たします。
教員免許の有無
教職大学院のコースによっては、すでに教員免許を持っていることが入学条件になる場合があります。ただし、教員免許を持っていない方を対象とした「教員免許取得プログラム」を用意している教職大学院もあります。
たとえば、上越教育大学や兵庫教育大学などでは、教員免許を持たない方を対象に、3年間のプログラムで一種免許状と専修免許状を同時に取得できるコースを設けています。
入学試験
教職大学院の入試は、一般的に小論文・面接・書類審査で構成されます。教員経験の有無に応じた選抜方式を設けている大学院も多いです。現職教員向けの推薦入試や社会人特別選考を実施しているところもあります。
教職大学院の選び方のポイント
教職大学院は全国の国立大学を中心に多数設置されていますが、自分に合った大学院を選ぶためには以下のポイントをチェックしましょう。
対象とする校種・教科
教職大学院によって、対象となる校種(小学校・中学校・高等学校・特別支援学校)や教科が異なります。自分が取得したい、または専修にしたい免許の校種・教科に対応しているか確認が必要です。
現職教員向けか、ストレートマスター向けか
教職大学院には、現職教員のスキルアップを主な目的とするコースと、教職経験のない学部卒業者(ストレートマスター)向けのコースがあります。通信制大学を卒業後に教職を目指す場合は、ストレートマスター対応のコースを選ぶ必要があります。
通学のしやすさ
教職大学院は基本的に通学制です。サテライトキャンパスや夜間開講を実施している大学院もありますが、多くは平日日中の授業と学校実習が中心です。通勤可能なエリアにある大学院を選ぶことが現実的に重要です。
学費と奨学金制度
国立大学の教職大学院の学費は年間約54万円(入学金約28万円)です。私立大学の場合はこれより高くなります。教育訓練給付金の対象となるプログラムもあるので、費用面もしっかり確認しましょう。
教職大学院での学校実習は長期間にわたるため、現職教員でない場合は実習先の確保が必要です。大学院が実習先を紹介してくれるケースもありますが、事前に確認しておきましょう。
通信制大学で教員免許を取得してから進学するルート
教職大学院への進学を見据えた場合、もっともスタンダードなルートは以下の流れです。
- 通信制大学で学士の学位と教員免許(一種免許状)を取得する
- 教職大学院に進学し、教職修士(専門職)の学位と専修免許状を取得する
- 教員採用試験を受験し、教壇に立つ
通信制大学で教員免許を取得できる主な大学としては、明星大学、佛教大学、玉川大学、星槎大学などが知られています。これらの大学で一種免許状を取得したうえで教職大学院に進学すれば、専修免許状を持った教員として、より高い専門性を示すことができます。
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教職大学院の主な設置校
教職大学院は全国の国立大学を中心に数多く設置されています。ここでは代表的な設置校を紹介します。
東京学芸大学 教職大学院
教員養成の名門です。幅広い校種・教科に対応しており、教育実践力の向上を重視したカリキュラムが特徴です。現職教員とストレートマスターの両方を受け入れています。
上越教育大学 教職大学院
教員免許を持たない方を対象とした3年制の免許取得プログラムがあります。通信制大学卒業者でも、教員免許と専修免許状を同時に取得できるルートが用意されている点が魅力です。
兵庫教育大学 教職大学院
西日本を代表する教員養成系の大学院です。教員免許を持たない社会人向けのコースも設けており、3年間で免許取得から専修免許状取得までを一貫して行えます。
大阪教育大学 教職大学院
教育現場のニーズに応じた実践的なカリキュラムを提供しています。ICTを活用した教育や特別支援教育など、今求められる分野の専門性を深められます。
教職大学院進学の費用と奨学金
教職大学院の費用面も確認しておきましょう。
学費の目安
- 国立大学:入学金約28万円、年間授業料約54万円(2年間で約136万円)
- 私立大学:入学金20万〜30万円、年間授業料80万〜120万円(大学による)
利用できる経済支援
日本学生支援機構の奨学金(第一種・第二種)や、大学独自の授業料減免制度を利用できます。現職教員の場合は、教育委員会からの派遣制度により給与を受けながら学べるケースもあります。教育訓練給付金の対象講座に指定されている教職大学院もあるため、ハローワークで確認してみましょう。
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よくある質問(Q&A)
Q. 教職大学院に通信制はある?
A. 教職大学院には通信制のプログラムは基本的に存在しません。実習を重視するカリキュラム構成上、通学が必須となっています。ただし、一部の授業をオンラインで受講できる大学院は増えてきています。
Q. 教職大学院を修了すると教員採用で有利?
A. 多くの自治体で、教職大学院修了者に対して教員採用試験の一部免除や加点を行っています。専修免許状を持っていること自体が、教員としての専門性の証明になるため、採用において有利に働く可能性があります。
Q. 社会人でも教職大学院に通える?
A. 現職教員であれば、教育委員会の派遣制度を利用して在職のまま教職大学院に通うケースがあります。現職教員でない社会人の場合は、仕事を辞めるか休職して通学する必要があるのが実情です。長期履修制度を活用すれば、修業年限を3〜4年に延ばして負担を分散することも可能です。
Q. 教職大学院を修了しなくても教員になれる?
A. もちろんなれます。教職大学院は必須ではなく、通信制大学で教員免許(一種免許状)を取得すれば教員採用試験の受験資格が得られます。教職大学院はあくまでも「より高度な教育実践力を身につけたい人」や「専修免許状が必要な人」のための選択肢です。
Q. 通信制大学の教員免許で教職大学院に不利になることはある?
A. 通信制大学の教員免許は通学制と同じ正規の免許状であり、制度上の不利はありません。教職大学院の入試では、教育に対する熱意や将来のビジョン、これまでの経験が評価されます。教員免許の取得方法が合否に影響することは基本的にありません。
進学準備でつまずきやすい「試験対策」と「書類管理」
教職大学院の入試では、専門科目や小論文、面接が課されるのが一般的です。仕事をしながら準備する人ほど、まとまった対策時間が取りにくくなります。市販の対策本を1冊決めておくと、隙間時間に開くだけで学習を進められるという方も多いです。
また、出願では成績証明書や卒業見込証明書、教員免許状の写しなど、大学ごとに書類がバラバラに増えていきます。募集要項や証明書を大学別にまとめておける収納があると、提出漏れを防ぎやすくなります。奨学金の申請書類の保管にも使えます。
まとめ
通信制大学から教職大学院への進学は十分に実現可能なルートです。通信制大学で教員免許と学士を取得し、その後に教職大学院で実践力を高めるという流れは、費用を抑えながら高度な教員資格を手にする効率的な方法です。
教職大学院を選ぶ際は、対応する校種・教科、ストレートマスター向けコースの有無、通学のしやすさを総合的に判断しましょう。教員としてのキャリアを本気で考えるなら、教職大学院は検討する価値のある選択肢です。専修免許状を持つ教員は管理職候補としても評価されやすく、給与面でも優遇されるケースが多いです。教育の質を高めたいという志を持つ方にとって、教職大学院での学びは必ず実りある経験になるはずです。まずは通信制大学で教員免許をしっかり取得するところからスタートし、将来のステップアップとして教職大学院を視野に入れてみてください。
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