キャリアアップや専門性の深化を目指して、大学院への進学を考えている社会人は増えています。しかし、仕事を辞めて通学するのは現実的ではないという方も多いのではないでしょうか。そんな方にとって、通信制大学院は働きながら修士号を取得できる有力な選択肢です。
この記事では、社会人に人気の通信制大学院を分野別に紹介し、選び方のポイントや学費の目安、修了までの流れを詳しく解説します。

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通信制大学院とは?通学制との違い
通信制大学院は、キャンパスへの通学を最小限に抑え、自宅学習やオンライン授業を中心に学ぶ大学院です。修了すれば通学制と同じ修士号(または博士号)が授与されます。文部科学省が認可した正規の教育課程であり、学位の価値に差はありません。
通学制との大きな違いは、時間と場所に縛られずに学べる点です。平日夜間や休日に講義が設定されていたり、録画された授業を好きな時間に視聴できたりするため、フルタイムの仕事を続けながらでも修了が目指せます。
一方で、指導教員との対面指導や研究発表会などでは、年に数回のスクーリングが必要な場合もあります。完全オンラインで修了できる大学院と、一部対面が必須の大学院があるため、入学前に確認しておくことが大切です。
- 通信制大学院の修士号は通学制と同等の正規学位
- オンライン授業・自宅学習が中心で働きながら学べる
- スクーリングの有無・頻度は大学院によって異なる
分野別おすすめの通信制大学院
通信制大学院は、福祉・心理・教育・経営・情報など多彩な分野で開設されています。ここでは分野ごとに代表的な大学院を紹介します。

経営・ビジネス(MBA)分野
経営学修士(MBA)を取得できる通信制大学院は、社会人からの人気が特に高い分野です。
ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT)は、大前研一氏が学長を務める完全オンラインのMBAプログラムです。世界中どこからでも受講でき、ケーススタディを中心とした実践的なカリキュラムが特徴です。修了年限は2年で、学費は約360万円です。
グロービス経営大学院は、オンラインと対面のハイブリッド型で学べるビジネススクールです。ケースメソッドによるディスカッション中心の授業で、実践力が身につくと高い評価を得ています。学費は2年間で約300万円です。
SBI大学院大学は、完全オンラインでMBAが取得でき、学費が2年間で約140万円と比較的リーズナブルです。テクノロジーと経営の融合をテーマにしたカリキュラムが特色です。
福祉・心理分野
東北福祉大学大学院は、社会福祉学専攻と福祉心理学専攻の2課程が通信制に対応しています。福祉の現場で働きながら研究を深めたい方に適しており、教員や福祉関係従事者が多く在籍しています。
佛教大学大学院は、社会福祉学や教育学の分野で通信制大学院を開設しています。伝統ある仏教系大学ならではの人間理解に根ざした教育が特徴です。
情報・IT分野
日本大学大学院 総合社会情報研究科は、日本初の通信制大学院として知られています。国際情報・文化情報・人間科学の3専攻に分かれ、博士課程前期・後期の両方が通信で履修可能です。学費は2年間で約182万円です。
教育分野
明星大学大学院や佛教大学大学院では、教育学研究科の通信制課程が設けられています。現職教員が教育実践を研究的に振り返りながら、専修免許状の取得を目指すことができます。
- MBA:BBT・グロービス・SBI大学院が代表的
- 福祉・心理:東北福祉大学院・佛教大学院
- 情報・IT:日本大学院(日本初の通信制大学院)
- 教育:明星大学院・佛教大学院
通信制大学院の学費の目安
通信制大学院の学費は、大学や分野によって大きく異なります。一般的な目安としては、2年間で100万〜400万円程度です。
MBA系の大学院は学費が高めの傾向にあり、BBTやグロービスは2年間で300〜360万円ほどかかります。一方、SBI大学院大学は約140万円と比較的抑えられています。
福祉・教育系の大学院は、2年間で100〜200万円程度が相場です。通学制の大学院と比べると、施設利用料がかからない分、やや安く抑えられるケースが多いです。
学費の負担を軽減する方法として、専門実践教育訓練給付金の利用が挙げられます。この制度を利用すると、支払った学費の最大70%(上限あり)がハローワークから支給されます。対象となるかどうかは大学院ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
給付金の利用には雇用保険の被保険者期間などの条件があります。入学前にハローワークに相談して、自分が対象になるか確認しましょう。
通信制大学院の修了までの流れ
通信制大学院の修了には、通常2年間が必要です(博士後期課程は3年間)。基本的な流れは以下のとおりです。
1年目:基礎科目の履修と研究テーマの決定
入学後は、専門分野の基礎科目を履修しながら、修士論文のテーマを決めていきます。指導教員との初回面談がオンラインまたは対面で行われ、研究の方向性を相談します。
2年目:専門科目の履修と修士論文の執筆
2年目は、より専門的な科目を学びながら修士論文の執筆を進めます。中間発表や最終口頭試問が設定されている大学院が多く、計画的に進めることが求められます。

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通信制大学院を選ぶときのチェックポイント
通信制大学院を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
スクーリングの頻度と場所
完全オンラインで修了できるのか、年に何回の対面参加が必要なのかは、働きながら学ぶ上で非常に重要な情報です。遠方の方は、スクーリングの交通費・宿泊費も考慮に入れましょう。
指導教員の研究分野
自分の研究テーマに合った指導教員がいるかどうかは、修士論文の質に直結します。教員一覧や研究業績を事前に確認し、可能であれば入学前に相談してみましょう。
修了率
通信制大学院の修了率は大学によって異なります。修了率が高い大学院は、サポート体制が充実している証拠ともいえるため、選択の参考になります。
取得できる資格
大学院によっては、修了と同時に特定の資格や免許(専修免許状、臨床心理士受験資格など)が取得できるケースがあります。資格取得が目的の場合は、対象の大学院かどうかをできるだけ確認しましょう。
- スクーリングの有無・頻度を確認する
- 指導教員の研究分野との適合性をチェック
- 修了率や学生サポート体制を比較する
- 取得可能な資格を事前に調べる
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通信制大学院に関するQ&A
Q. 通信制大学院の入試は難しい?
入試の形式は大学院によって異なりますが、多くの場合、研究計画書の提出と面接(オンライン対応可の場合あり)が中心です。学力試験を課す大学院は少数派で、実務経験や研究への意欲が重視される傾向にあります。
Q. 通信制大学を卒業していなくても入学できる?
通学制の大学を卒業している方はもちろん、実務経験を評価して大学卒業と同等の学力があると認められれば入学できるケースもあります。詳しい入学資格は各大学院に問い合わせましょう。
Q. 博士号も通信で取得できる?
日本大学大学院(総合社会情報研究科)など、一部の大学院では博士後期課程も通信制で開設しています。ただし、選択肢は修士課程に比べるとかなり限られます。


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通信制大学院で学ぶ際の注意点
通信制大学院にはメリットが多い一方で、入学前に理解しておくべき注意点もあります。
研究指導の頻度に限りがある
通学制の大学院では週に何度も指導教員と顔を合わせられますが、通信制では対面の機会が限られます。メールやオンライン面談を積極的に活用する姿勢が求められます。受け身では十分な指導を受けられない場合があるため、自分から連絡を取る習慣をつけましょう。
修士論文の執筆には計画性が必要
仕事をしながら修士論文を書くのは、想像以上に大変です。2年目の後半に集中して取り組もうとすると間に合わないケースもあるため、1年目の後半から少しずつ準備を始めるのがおすすめです。
スクーリングの日程調整
対面でのスクーリングや中間発表がある場合、会社を休む必要が出てきます。事前に上司や同僚に相談し、スケジュールを確保しておきましょう。
通信制大学院は「入学すれば修了できる」わけではありません。仕事との両立には強い意志と計画性が必要です。入学前に修了までのスケジュールを具体的にイメージしておきましょう。
🐹 修士論文のほかにもレポート課題が出される大学院は多いです。レポートを効率よく仕上げるのに便利な本や文房具をまとめたページもありますので、参考にしてみてください。



通信制大学院の入学から修了までのスケジュール例
ここでは、2年間の修士課程を例に、入学から修了までの一般的なスケジュールを紹介します。
1年目前期(4〜9月)
入学ガイダンスを経て、基礎科目の履修をスタートします。指導教員との初回面談で研究テーマの方向性を相談し、文献レビューを始めます。
1年目後期(10〜3月)
専門科目の履修を進めつつ、研究テーマを具体化します。先行研究の整理や調査方法の検討を行い、研究計画書の作成に取りかかります。
2年目前期(4〜9月)
残りの科目を履修しながら、修士論文の執筆を本格的に進めます。中間発表が設定されている場合は、ここで研究の進捗を報告します。
2年目後期(10〜3月)
修士論文を完成させ、最終口頭試問(審査会)に臨みます。論文の修正・再提出が求められることもあるため、提出期限ギリギリにならないよう余裕をもったスケジュールで進めましょう。審査に合格すれば、晴れて修士号が授与されます。


まとめ
通信制大学院は、働きながら修士号を取得できる社会人にとって心強い選択肢です。MBA・福祉・心理・教育・情報など多彩な分野で開設されており、完全オンラインで修了できる大学院も増えています。
大学院選びでは、スクーリングの頻度・学費・指導教員の研究分野・修了率を総合的に比較して、自分の目的と生活スタイルに合った大学院を選ぶことが成功のカギです。専門実践教育訓練給付金が使える大学院なら、学費負担も大幅に軽減できます。
参考リンク:通信制大学院一覧(キョウヲイク) / 社会人の通信制大学院一覧(スクーリングなし通信制大学ガイド) / 文部科学省「大学通信教育」
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