通信制大学に通っていると、「やっぱり通学課程に移りたい」「別の大学の通信課程に変えたい」と考えることがあるかもしれません。そんなとき気になるのが転籍という制度です。
転籍とは、同じ大学内で通信教育課程と通学課程の間で学籍を移すことを指します。退学して入学し直すのとは違い、在籍したまま課程を変更できる仕組みなので、修得済みの単位を活かせる可能性があるのが大きなメリットです。

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転籍とは?編入・転入との違い
まずは用語を整理しておきましょう。混同しやすい「転籍」「編入」「転入」の違いを確認します。
- 転籍:同じ大学内で課程(通信⇔通学)を変更すること
- 編入:他大学から途中の学年に入学すること
- 転入(転学):他大学に在籍を移すこと(いったん退学が必要な場合もある)
転籍は同一大学内での移動であるため、退学せずに手続きできるのが最大の特徴です。ただし、すべての大学で転籍制度が用意されているわけではないため、事前に確認しておく必要があります。
通信制大学から通学課程への転籍
通信制大学で学びながら「やはり対面で学びたい」と感じた場合、同じ大学の通学課程への転籍が選択肢になります。
転籍制度がある主な大学
転籍制度を設けている大学はいくつかあります。代表的な例を見てみましょう。
法政大学では、通信教育課程から通学課程への転籍試験を実施しています。出願時期は例年9月〜10月頃で、11月頃に転籍試験が行われます。試験要項は大学の公式サイトで7月頃に公開されるため、早めにチェックしておくのがおすすめです(参考:法政大学通信教育部 通学課程への転籍)。
日本大学でも、通信教育部から通学課程への転部制度を設けています。通学課程の各学部に転部できる仕組みで、要項は大学公式サイトで確認できます(参考:日本大学通信教育部 通学課程からの転籍・転部)。
転籍試験の内容
転籍には多くの場合、選考試験が課されます。筆記試験や面接が一般的で、大学によっては成績基準や在籍年数の条件が設けられていることもあります。通信課程で一定数以上の単位を修得していることが求められるケースも珍しくありません。
転籍試験に合格しても、通学課程の学費が必要になります。通信課程と比べて年間の費用が大きく異なるため、経済面も含めて検討しましょう。
通学課程から通信制大学への転籍
逆に、通学課程に在籍していて「仕事と両立したい」「経済的に通信に切り替えたい」という理由で通信課程に転籍を希望する方もいます。
法政大学の場合、通学課程の在籍者(休学者を含む)であることが条件で、退学予定者や学費未納による除籍予定者は対象外です(参考:法政大学 通学課程からの転籍)。
通学→通信への転籍は、通信→通学よりもハードルが低い傾向にあります。選考試験がなく、書類提出のみで認められる場合もあります。ただし、カリキュラムの違いによって修得済み単位が認定されない科目が出る可能性もあるため、事前に教務窓口で相談しておくことをおすすめします。


別の通信制大学への転入(転学)
同じ大学内の転籍ではなく、別の通信制大学に移りたい場合は「転入」や「編入」という扱いになります。この場合、一般的には現在の大学を退学してから新しい大学に編入学する形になります。
編入時の単位認定
他大学で修得した単位は、編入先の大学で一定数まで認定されるのが一般的です。認定される単位数は大学によって異なりますが、30〜60単位程度が目安となっています。
- 編入を検討する際は、事前に編入先の大学の入試課に問い合わせて、どの程度の単位が認定されるか確認しておくことが重要です
- 成績証明書やシラバスの提出を求められることがあります
- 編入学の募集時期は大学ごとに異なるため、早めに情報収集しましょう
転籍・編入の手続きの流れ
ここでは、転籍や編入の一般的な手続きの流れを紹介します。大学によって細かい違いはありますが、おおよそ以下のステップで進みます。
ステップ1:情報収集
まずは転籍先(または編入先)の大学の公式サイトや入試要項を確認します。募集要項の公開時期や出願期間を把握しておくことが大切です。
ステップ2:必要書類の準備
転籍に必要な書類は大学によって異なりますが、一般的に以下が求められます。
- 転籍願(所定の用紙)
- 成績証明書
- 在籍証明書
- 志望理由書
- 健康診断書(通学課程への転籍の場合)
ステップ3:選考試験への出願・受験
書類を揃えたら出願し、筆記試験や面接などの選考を受けます。通学→通信の転籍では、書類審査のみの場合もあります。
ステップ4:合格後の手続き
合格通知を受けたら、学費の納入や履修登録など、転籍先の課程での学生生活に必要な手続きを行います。


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転籍を考えるときの注意点
転籍は便利な制度ですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
単位の互換性
通信課程と通学課程ではカリキュラムが異なることが多いため、すべての修得単位が認定されるとは限りません。特に実技科目やスクーリング科目は互換されにくい傾向があります。
在籍年数の扱い
転籍した場合、通信課程での在籍年数が通学課程でどのように扱われるかは大学によって異なります。卒業までの年数が延びる可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
学費の変動
通信課程と通学課程では学費が大きく異なります。通信制大学の年間学費は10万〜30万円程度が一般的ですが、通学課程になると年間70万〜120万円程度に跳ね上がることも珍しくありません。
生活スタイルの変化
通信→通学に転籍すると、毎日の通学が必要になります。仕事を続けながらの通学が可能かどうか、生活全体を見直す必要があります。
転籍を成功させるためのポイント
転籍を検討している方に向けて、成功のためのポイントをまとめます。
- 早めの情報収集:転籍の募集は年1回のみの大学が多いため、出願期間を逃さないようにしましょう
- 成績を維持する:転籍試験では在籍中の成績が評価されることがあります。日頃の学習をしっかり行っておくことが大切です
- 教務窓口への相談:不明点は大学の教務課や通信教育部に直接相談するのが確実です
- 費用のシミュレーション:転籍後の学費や生活費を事前に計算しておきましょう
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転籍が向いている人・向いていない人
転籍は便利な制度ですが、すべての人に向いているわけではありません。自分の状況に照らし合わせて判断しましょう。
転籍が向いている人
同じ大学内で通信と通学の両方の課程が開設されている大学に在籍しており、対面での授業や教授との直接的な交流を求めている人には転籍が適しています。また、通学課程の学費を支払える経済的な余裕があり、通学に必要な時間を確保できる人も候補になります。
転籍が向いていない人
現在の大学に転籍制度がない場合や、仕事を続けながら学びたい人には転籍よりも他の選択肢が適しています。学費の大幅な増加が家計に負担になるケースでは、通信課程のまま卒業を目指す方が現実的です。他大学で学びたい内容がある場合は、転籍ではなく編入学を検討した方がよいでしょう。
Q&A:通信制大学の転籍に関するよくある質問
Q. 転籍すると学年はどうなりますか?
修得済みの単位数に応じて編入年次が決まることが一般的です。たとえば62単位以上修得していれば3年次に転籍できるケースが多いですが、大学の判断によります。
Q. 転籍試験に落ちたらどうなりますか?
不合格になっても、現在の課程にそのまま在籍し続けることができます。翌年以降に再チャレンジすることも可能です。
Q. すべての通信制大学で転籍できますか?
すべての大学に転籍制度があるわけではありません。転籍制度を設けているかどうかは大学によって異なるため、入学前に確認しておくのがおすすめです。
Q. 社会人でも転籍は可能ですか?
制度上は可能です。ただし通学課程への転籍の場合は、平日の日中に授業があるケースが多いため、仕事との両立が難しくなる場合があります。夜間部がある大学であれば、働きながら通学できる可能性もあります。


転籍・編入で増える書類をどう管理するか
転籍や編入の手続きでは、成績証明書、単位修得証明書、シラバス、志望理由書といった書類が次々に増えていきます。移籍先と現在の大学の両方とやり取りするため、どこに何を出したかが分からなくなりやすい場面です。大学ごとにまとめて立てておける収納があると、提出漏れを防ぎやすくなります。
単位互換の審査では、履修済み科目のシラバスを科目ごとに整理して提出を求められることもあります。科目単位で分けられるクリアファイルを使っておくと、大学から追加提出を頼まれたときにもすぐ取り出せます。
まとめ
通信制大学の転籍は、同じ大学内で通信課程と通学課程の間を移動できる便利な制度です。退学せずに課程を変更できるため、修得済みの単位を活かせるメリットがあります。
ただし、転籍試験が課されることや、単位の互換性、学費の変動など、事前に確認しておくべきポイントも多くあります。早めの情報収集と大学への相談が成功の鍵です。
別の大学に移りたい場合は「編入」という選択肢もありますので、自分の目的や状況に合わせて検討してみてください。
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