「通信制大学で介護福祉士の資格を目指せるの?」この疑問を持つ方は多いですが、結論を先に言うと、通信制大学だけでは介護福祉士の受験資格は取得できません。介護福祉士は実技スキルが求められる国家資格であり、通信教育のみでの取得には制度上の制限があります。
ただし、通信制の仕組みを活用して介護福祉士を目指す方法はいくつかあります。この記事では、介護福祉士の受験資格を得るための正しいルートと、通信制で学べる範囲、そして関連する福祉資格との違いを解説していきます。

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介護福祉士とは
介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。高齢者や障がい者の身体介護、生活支援、介護計画の作成などを専門的に行います。社会福祉士及び介護福祉士法に基づいて定められており、名称独占資格に該当します。
介護の現場では、介護福祉士を持っていることで給与面での優遇や、リーダー職・管理職への昇進が期待できます。介護職としてのキャリアアップには欠かせない資格と言えます。
介護福祉士の受験資格を得る4つのルート
介護福祉士の国家試験を受けるための受験資格は、主に4つのルートで取得できます。
1. 実務経験ルート
介護の実務経験が3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)あり、さらに「実務者研修」を修了することで受験資格が得られます。社会人が介護福祉士を目指す場合、もっとも一般的なルートです。
実務者研修は通信講座と通学を組み合わせた形式で受講でき、全カリキュラムの約9割を通信で学ぶことが可能です。期間は約6か月が目安で、費用は無資格の場合で10万〜20万円程度です。
2. 養成施設ルート
厚生労働大臣の指定を受けた介護福祉士養成施設(専門学校や大学の介護福祉学科)を卒業するルートです。修業年限は2年以上で、卒業と同時に受験資格が得られます。
介護福祉士養成施設は通学制のみです。通信制の養成施設は存在しないため、このルートでは通学が必須となります。
3. 福祉系高校ルート
福祉に関する所定の科目・単位を修めて高等学校を卒業することで受験資格が得られます。すでに高校を卒業済みの社会人にはあまり関係のないルートです。
4. 経済連携協定(EPA)ルート
インドネシア、フィリピン、ベトナムからのEPA介護福祉士候補者が、一定の条件のもとで受験資格を得るルートです。日本人の受験者には該当しません。
通信制大学で学べる福祉関連の知識
通信制大学だけでは介護福祉士の受験資格は取得できませんが、福祉に関する幅広い知識を学ぶことはできます。通信制大学の福祉系学部・学科では、以下のような科目を履修できます。
- 社会福祉学概論
- 高齢者福祉論
- 障害者福祉論
- 介護概論
- 福祉心理学
- ケアマネジメント論
これらの知識は介護現場での実務に活かせるだけでなく、介護福祉士の筆記試験対策にも役立ちます。介護の実務経験を積みながら、通信制大学で福祉の理論的な知識を並行して学ぶのは、非常に効率的な学び方です。


社会人が介護福祉士を目指す現実的なルート
社会人が介護福祉士を目指す場合、もっとも現実的なのは「実務経験ルート」です。具体的な流れは以下のとおりです。
- 介護施設で働き始める(無資格・未経験でも就職可能なところが多い)
- 働きながら初任者研修(旧ヘルパー2級)を修了する
- 実務経験を3年以上積む
- 実務者研修を通信+通学で修了する
- 介護福祉士国家試験を受験する
実務者研修は通信で約9割の科目を学べるため、働きながらでも無理なく修了できます。通学部分は介護過程IIIと医療的ケアの2科目のみで、日数にすると約7〜10日程度です。
介護福祉士と通信制大学で取得できる福祉資格の違い
通信制大学では介護福祉士の受験資格は取れませんが、別の福祉系国家資格の受験資格は取得できます。混同しやすいので、ここで違いを整理しておきましょう。
- 社会福祉士:通信制大学で受験資格を取得可能。ソーシャルワーカーとして相談援助業務を行う
- 精神保健福祉士:通信制大学で受験資格を取得可能。精神障がい者の支援を行う
- 介護福祉士:通信制大学では受験資格を取得できない。実務経験+実務者研修が必要
社会福祉士や精神保健福祉士は「相談援助」が中心であるのに対し、介護福祉士は「身体介護」が中心です。求められるスキルが根本的に異なるため、資格取得のルートも異なっています。
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通信制大学と実務経験を組み合わせたダブル資格戦略
介護の現場でキャリアアップを目指すなら、通信制大学で社会福祉士の受験資格を取得しつつ、実務経験で介護福祉士を目指すという「ダブル資格戦略」がおすすめです。
社会福祉士と介護福祉士の両方を持っていれば、現場の介護業務から相談援助業務、施設管理まで幅広い役割を担えるようになります。管理職やケアマネジャー(介護支援専門員)を目指す際にも、複数の国家資格を持っていることは大きな武器になります。
🐹 通信制大学で福祉の知識を学びながら介護福祉士を目指す方には、福祉分野の基礎が学べるおすすめの本・教材をまとめた記事が参考になります。筆記試験対策にも役立ちますので、ぜひチェックしてみてください。



介護福祉士取得までのロードマップ
社会人がゼロから介護福祉士を目指す場合の具体的なロードマップを示します。
年目1年目:介護の世界に飛び込む
まずは介護施設に就職します。無資格・未経験でも採用してくれる施設は多く、特に人手不足の施設では積極的に未経験者を受け入れています。就職後、まずは介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を受講して基礎的な介護スキルを身につけましょう。初任者研修は通信+通学で約1〜4か月で修了できます。
2年目〜3年目:実務経験を積む
介護現場で実務経験を積みながら、3年目の後半から実務者研修の受講を開始します。実務者研修は約6か月のプログラムで、通信で約9割を学べるため仕事と両立しやすいです。また、この期間に通信制大学で福祉の理論を並行して学ぶのもおすすめです。
4年目:国家試験受験
3年以上の実務経験と実務者研修修了の要件を満たしたら、介護福祉士国家試験を受験します。試験は例年1月末に実施され、合格発表は3月です。合格率は70〜80%程度で推移しているため、きちんと対策すれば十分合格を狙えます。
🐹 介護福祉士国家試験の対策には、市販の参考書や問題集をうまく活用するのが効果的です。通信制大学で資格取得を目指す方向けにおすすめの参考書をまとめていますので、試験勉強の準備にお役立てください。



介護福祉士と相性のよい資格
介護福祉士を取得した後、さらにキャリアアップを目指す場合に取得を検討したい資格を紹介します。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護福祉士として5年以上の実務経験を積むと、ケアマネジャー試験の受験資格が得られます。ケアマネジャーはケアプランの作成や介護サービスの調整を行う専門職で、介護分野のキャリアアップとしてもっとも王道のルートです。
社会福祉士
通信制大学で受験資格を取得できます。介護福祉士とのダブルライセンスで、現場の介護から相談援助まで幅広い業務に対応できるようになります。
認知症ケア専門士
認知症ケアに特化した民間資格です。介護現場での実務経験3年以上で受験可能です。高齢化に伴い認知症ケアのニーズは今後も増え続けるため、専門性の証明として価値が高いです。
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よくある質問(Q&A)
Q. 実務者研修はどこで受けられる?
A. 全国各地の福祉系専門学校やスクールで開講されています。通信+通学の併用方式が主流で、通信部分は自宅で学習し、通学部分は数日間のスクーリングで集中的に実技を学ぶ形式です。
Q. 介護福祉士の試験は難しい?
A. 介護福祉士国家試験の合格率は例年70〜80%程度で推移しており、しっかり準備すれば十分に合格を狙える水準です。筆記試験(マークシート方式)で出題されます。
Q. 介護福祉士の資格を持つメリットは?
A. 資格手当として月額1万〜3万円程度の給与アップが期待できるほか、処遇改善加算の対象にもなりやすいです。介護のプロフェッショナルとしての信頼性が高まり、転職市場での評価も上がります。
Q. 通信制大学で介護の勉強をする意味はある?
A. 直接的に介護福祉士の受験資格にはつながりませんが、福祉の理論的基盤を学ぶことで、現場での対応力や問題解決能力が向上します。また、大卒資格を取得すれば給与体系での優遇を受けられるケースもあります。
Q. 介護福祉士の年収はどのくらい?
A. 厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、介護福祉士の平均年収は350万〜400万円程度です。資格手当や処遇改善加算により、無資格の介護職員よりも月額2万〜5万円程度高い傾向があります。夜勤手当やリーダー手当が加わるとさらに上がります。
Q. 介護福祉士の試験対策は独学でできる?
A. テキストや過去問集を活用すれば独学での合格は十分に可能です。合格率が70〜80%と比較的高いため、実務経験で培った知識に加えて、過去問を繰り返し解くことで対策できます。不安な場合は通信講座の利用も検討しましょう。
働きながら国家試験に備える人が使っているもの
実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合、日々の仕事と並行して国家試験の対策を進めることになります。出題の傾向をつかむには過去問を繰り返すのが定番で、解説付きの問題集を1冊持っておくと通勤時間なども使いやすくなります。
記事の中でも触れたとおり、介護福祉士は現場の技術が重視される資格です。移乗や体位変換といった動作は写真やイラストで手順を確認できるテキストがあると、研修で習ったことを家で復習しやすくなります。実際の内容やレビューは各ショップで確認できます。
まとめ
通信制大学だけでは介護福祉士の受験資格は取得できませんが、実務経験ルート(3年以上の実務経験+実務者研修修了)を活用すれば、働きながら受験資格を得ることができます。実務者研修の約9割は通信で学べるため、通信教育を活用するメリットは十分にあります。
さらに、通信制大学で社会福祉士の受験資格を取得する「ダブル資格戦略」を組み合わせれば、介護分野でのキャリアの幅が大きく広がります。自分の目標に合わせて、最適な資格取得ルートを選びましょう。介護の仕事は今後ますます需要が高まる分野です。資格を取得して専門性を高めることで、やりがいと安定した収入の両方を手にすることができます。まずは介護の現場に飛び込んでみて、実務経験を積みながら資格取得を目指すのが最も確実な方法です。
介護福祉士の受験資格ルートについては三幸福祉カレッジの解説ページが詳しいです。また、介護福祉士の仕事内容やなり方はカイゴジョブアカデミーの解説も参考になります。受験資格の公式情報は厚生労働省の介護福祉士ページで確認できます。


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