「定年後に何か新しいことを始めたい」「若い頃に叶わなかった大学進学の夢を実現したい」そんな思いを持つ50代・60代の方に、通信制大学という選択肢が注目されています。
通信制大学には年齢制限がなく、自宅で自分のペースで学べるため、シニア世代にとって非常に始めやすい学びの形です。学費面でもシニア向けの割引制度を設けている大学があり、費用の負担を抑えながら学位や資格の取得を目指せます。
この記事では、50代・60代から通信制大学を始めるメリットや大学の選び方、実際にシニア学生として学んでいる方の声をもとにしたアドバイスまで、まとめて解説します。

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シニア世代が通信制大学を選ぶ理由
生涯学習としての学び直し
定年退職後の時間を有意義に過ごすために、通信制大学で学び始めるシニアの方が増えています。仕事で培った経験を学問的に整理したいと考える方や、純粋に知的好奇心を満たしたいという方が多いのが特徴です。
日本福祉大学の通信教育部によると、同大学には50代・60代の学生が多数在籍しており、定年後の新たな人生設計のために学ぶ方も少なくないとのことです。
若い頃の夢の実現
「経済的な理由で大学に進学できなかった」「家庭の事情で進学を断念した」という方にとって、通信制大学は長年の夢を叶えるチャンスです。入学試験がなく書類選考のみの大学がほとんどなので、学力面でのハードルも高くありません。
資格取得やセカンドキャリア
図書館司書、学芸員、社会福祉士といった資格を取得して、退職後のセカンドキャリアに活かすことを目指す方もいます。趣味と実益を兼ねた学びができるのは、通信制大学ならではの魅力です。
シニア向けの学費割引制度がある大学
一部の通信制大学では、シニア世代を対象とした学費の割引制度を設けています。
- 八洲学園大学:55歳以上を対象とした「シニア割引」があり、期ごとの授業料が定額になる制度を設けている
- 放送大学:もともとの学費が低額で、1科目(2単位)12,000円から受講可能。入学試験なしで70代以上の学生も在籍
- 大手前大学:年齢による割引はないが、完全オンラインで卒業可能。スクーリング不要のため交通費・宿泊費がかからない
学費の詳細は大学によって変更されることがあるため、入学を検討する際は各大学の公式サイトで記事執筆時点の情報を確認することをおすすめします。

シニア世代が通信制大学で学ぶメリット
自分のペースで学べる
通信制大学はテキスト学習やオンデマンド授業が中心のため、体調や予定に合わせて柔軟にスケジュールを組めます。通学の必要がない(または少ない)ため、体力面の心配が少ないのもメリットです。
社会経験を活かせる
長年の仕事や人生経験が学習に活きる場面は非常に多いです。経営学の授業では実際のビジネス経験と照らし合わせながら理解を深められますし、心理学や教育学では自身の子育てや人間関係の経験が学びの助けになります。
新しいコミュニティができる
退職後に社会的なつながりが減ることを心配する方も多いですが、通信制大学のスクーリングやオンライン上のフォーラムを通じて、同じ目標を持つ仲間と出会えます。世代を超えた交流は、日常生活に新たな刺激をもたらしてくれます。
脳の活性化と健康維持
学習を続けることは、脳を活性化させるうえでも有効とされています。レポートを書いたり、テキストを読み込んだり、議論に参加したりすることで、知的な活動量を維持できます。
シニアにおすすめの学部・分野
目的によっておすすめの分野は変わりますが、シニア世代に人気のある学部・分野をまとめます。
- 教養系(リベラルアーツ):幅広い分野を学べるため、特定の目的を持たない方にもおすすめ。放送大学の教養学部が代表的
- 心理学:人間関係や自己理解を深めたい方に人気。認定心理士の資格取得も可能
- 芸術系:京都芸術大学(通信教育課程)では、絵画やデザイン、写真などを学べる
- 福祉系:社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得して、ボランティアや地域活動に活かせる
- 文学・歴史:人文学系は社会経験豊富なシニアにとって、深い学びが得られる分野
シニア学生が気をつけたいポイント
パソコン・インターネットへの不安
オンライン学習が中心の通信制大学では、パソコンやインターネットの基本操作が必要です。苦手意識がある方は、入学前にパソコン教室や自治体の無料講座を活用して、基本操作に慣れておくとスムーズです。
通信制大学ではレポートのオンライン提出や、学習管理システムへのログインが必須のケースが多いです。スマートフォンだけでは対応しきれない場合があるため、パソコンを1台用意しておくことをおすすめします。
無理のない履修計画を立てる
卒業を焦って多くの科目を履修すると、レポートに追われてしまう可能性があります。最初の学期は少なめの科目数で様子を見るのが賢明です。
家族の理解を得る
配偶者やお子さんに学ぶ目的を共有しておくと、スクーリングへの参加やレポート作成の時間確保がスムーズになります。家族のサポートがあると、学習の継続率も上がります。

よくある質問
Q. 70代でも入学できる?
入学できます。通信制大学に年齢の上限はなく、放送大学をはじめ多くの大学で70代・80代の学生が在籍しています。入学試験もないため、学ぶ意欲さえあれば誰でもチャレンジ可能です。
Q. 卒業を目指さなくてもいい?
はい。放送大学をはじめ、多くの通信制大学では科目等履修生(特定の科目だけを履修する制度)を設けています。卒業ではなく「学びたい科目だけ受講したい」という方にも対応しています。
Q. 友達はできる?
スクーリングやオンラインのディスカッション、学生用のSNSグループなどを通じて交流が生まれます。同世代の学生と出会える機会もあり、学び仲間ができたという声は多いです。
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シニア学生の1日の過ごし方(モデルケース)
実際にシニア世代の通信制大学生がどのように学習時間を確保しているのか、モデルケースを紹介します。
定年退職後のAさん(65歳)の場合
- 7:00〜8:00:起床・朝食・散歩
- 9:00〜11:00:テキスト学習(2時間)
- 11:00〜12:00:休憩・家事
- 13:00〜14:30:オンデマンド授業の視聴
- 14:30〜16:00:趣味・買い物・自由時間
- 20:00〜21:00:レポート作成・復習
1日合計3〜4時間程度の学習時間を確保しているこのペースなら、年間約20単位を取得でき、4年間で卒業が見えてくる計算になります。もちろん、これは一例であり、体調や予定に合わせて柔軟にスケジュールを調整することが大切です。
パートタイムで働くBさん(58歳)の場合
週3日のパート勤務と並行して学んでいるBさんは、パートがない日の午前中を集中学習に充て、パートの日は通勤中にスマートフォンで講義動画を視聴するスタイルを取っています。勤務日と学習日をはっきり分けることで、メリハリのある生活を維持しています。

入学前に確認しておきたいこと
パソコンの推奨スペック
オンライン学習が中心の通信制大学では、以下のような環境が推奨されています。
- OSはWindows 10以降またはmacOS(記事執筆時点)
- インターネット回線:安定した光回線を推奨
- Webブラウザ:Google Chrome推奨の大学が多い
- Webカメラ・マイク:ライブ型スクーリングに必要
タブレットやスマートフォンでも一部の学習は可能ですが、レポート作成や長文の閲覧にはパソコンのほうが効率的です。
学生証で利用できるサービス
通信制大学の学生証があると、以下のようなサービスを利用できます。
- 学割(一部の交通機関、映画館、美術館など)
- 大学図書館の利用(キャンパスのある大学の場合)
- 学術データベースへのアクセス
- Microsoft Office 365やAdobe Creative Cloudの学生プラン(対応大学の場合)
学生証の利用範囲は大学によって異なりますが、学ぶだけでなく日常生活でもメリットを感じられるのは嬉しいポイントです。
家族と一緒に学ぶという選択肢
放送大学をはじめとする一部の通信制大学では、家族で一緒に受講するケースもあります。夫婦で同じ大学に入学して勉強するシニア世代も珍しくありません。
一緒に学ぶことで、お互いに刺激を与え合い、モチベーションの維持にもつながります。「大学の話題」が日常会話に加わることで、退職後の生活に新たな楽しみが生まれたという声もあります。
シニアにおすすめの入学ステップ
「入学に興味はあるけど、いきなり正科生は不安」というシニアの方には、段階的に始めることをおすすめします。
ステップ1:科目等履修生として1〜2科目受講する
多くの通信制大学では、正科生として入学せずに特定の科目だけを受講できる「科目等履修生」の制度があります。まずは1〜2科目だけ受講してみて、通信学習の雰囲気や自分に合っているかどうかを確認しましょう。科目等履修生で取得した単位は、正科生に切り替えた際に認定される場合もあります。
ステップ2:正科生に切り替えて本格的に学ぶ
科目等履修生で通信学習に慣れたら、正科生として正式に入学し、学位取得を目指します。すでに学習リズムができているため、スムーズにスタートできるでしょう。
まとめ
50代・60代からの通信制大学での学び直しは、生涯学習・資格取得・セカンドキャリアなど、さまざまな目的に対応できる選択肢です。シニア向けの割引制度がある大学もあり、経済的な負担を抑えて始められます。
何歳になっても学ぶことに遅すぎることはありません。まずは気になる大学の資料を取り寄せて、どんな学びができるのかをイメージしてみてはいかがでしょうか。
シニアの学び直しについては、八洲学園大学のシニア割引制度が参考になります。幅広い教養を学びたい方には放送大学もおすすめです。通信制大学全般の情報は、BrushUP学びで比較・検討できます。
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