「通信制大学の学位って、ちゃんと評価されるの?」「通学制の大卒と比べて不利にならない?」と不安を感じていませんか。通信制大学への入学を検討するとき、学位の価値は最も気になるポイントだと思います。
結論から言うと、通信制大学の学位は法的に通学制と同じ「学士」であり、正規の大卒資格として認められます。文部科学省が認可した大学であれば、通信制か通学制かで学位の法的価値に違いはありません。
ただし、実際の就職活動や転職の場面では、評価が分かれるケースもあります。この記事では、通信制大学の学位の法的な位置づけ、企業からの評価の実態、学位の価値を最大化するための方法まで、包括的にお伝えします。

通信制大学の学位は「正規の大卒」である法的根拠
通信制大学は、文部科学省が学校教育法に基づいて認可した正規の大学です。卒業時に授与される「学士」の学位は、通学制の大学と全く同じものです。
学位記(卒業証書)には「通信教育課程」と記載されますが、学位の種類自体は通学制と変わりません。たとえば法学部を卒業すれば「学士(法学)」、経済学部を卒業すれば「学士(経済学)」が授与されます。
また、大学改革支援・学位授与機構のデータベースでも、通信制大学の学位は通学制と同等に登録されています。法的な価値に差はないということを、まず押さえておきましょう。
企業は通信制大学の学位をどう評価しているか
「大卒以上」の応募条件はクリアできる
求人票に「大卒以上」と記載されている場合、通信制大学の学位でも応募条件を満たします。これは法的に同じ学位なので当然のことですが、実際に通信制大学の学位で応募して採用された事例は多数あります。
中途採用では問題なく評価される
社会人の中途採用では、学歴よりも実務経験やスキルが重視されます。通信制か通学制かを気にする企業は少なく、むしろ「働きながら大学を卒業した」という事実が自己管理能力や学習意欲の証明としてプラス評価されることもあります。
新卒採用では差が出る場合がある
正直に言うと、新卒の就職活動では通学制の学生と比較されたときに不利になるケースがあります。特に大手企業の総合職採用では、大学名やキャンパスでの活動実績が重視される傾向があるため、通信制の学生にとってはハードルが高い場合があります。
ただし、これはすべての企業に当てはまるわけではありません。ベンチャー企業やIT業界など、スキルや実績を重視する業界では、通信制かどうかをほとんど気にしない企業も多いです。

通信制大学の学位が活きる場面
| 場面 | 具体的なメリット |
|---|---|
| 転職活動 | 「大卒以上」の求人に応募可能になる |
| 昇進・昇格 | 社内の昇格要件「大卒」をクリアできる |
| 資格取得 | 大卒が受験資格の国家資格に挑戦できる |
| 大学院進学 | 大学院の受験資格が得られる |
| 給与アップ | 大卒の給与テーブルが適用される |
| 海外就職・留学 | ビザ申請時の学歴要件を満たせる |
特に「昇進・昇格」と「資格取得」は通信制大学の学位が直接的に役立つ場面です。大卒が昇格要件になっている企業は少なくないですし、社会福祉士や臨床心理士など大卒が受験資格になる国家資格もあります。
学位の価値を最大化する3つの戦略
1. 資格とセットで取得する
通信制大学では、在学中に教員免許、社会福祉士、図書館司書、学芸員などの資格を取得できるカリキュラムを用意しているところが多いです。学位だけでなく資格もセットで取得すれば、就職・転職での武器が増えます。
2. 学んだ内容を仕事に活かす
学位そのものより「何を学び、どう活かしたか」が重要です。たとえば経営学を学んだなら、職場で業務改善の提案をする。心理学を学んだなら、マネジメントに活かす。学びを実践に結びつけることで、学位の価値は何倍にもなります。
3. 大学院進学でさらにステップアップ
通信制大学の学士を取得すれば、大学院への進学も可能になります。MBAや教育学修士など、さらに専門性を高めることで、キャリアの選択肢が大きく広がります。通信制の大学院も増えているので、働きながら修士号を目指すことも現実的です。

通信制大学の学位に対するよくある誤解
誤解1:「通信制は簡単に卒業できる」
実は通信制大学の卒業率は15〜30%程度と、通学制よりも低いです。自分で学習管理をしなければならないため、むしろ通学制より難しい面もあります。「通信制は楽」というイメージは完全に誤解です。
誤解2:「履歴書に通信制と書くと不利」
履歴書には「〇〇大学 通信教育課程 卒業」と書くのが正式ですが、「〇〇大学 卒業」と書いても虚偽にはなりません。ただし、面接で聞かれた場合は正直に答えるべきです。通信制を隠す必要はありません。
誤解3:「有名大学の通信制なら価値が高い」
慶應義塾大学や法政大学など、有名大学にも通信教育課程はあります。確かに大学名のブランド力はありますが、通信制の場合は通学制ほど大学名が重視されない傾向があります。大学名よりも「何を学んだか」「どんな資格を取ったか」のほうが重要です。
通信制の学位と通学制の学位を比較
| 比較項目 | 通信制 | 通学制 |
|---|---|---|
| 学位の法的価値 | 同じ(学士) | 同じ(学士) |
| 学費 | 年間5〜30万円 | 年間50〜150万円 |
| 卒業率 | 15〜30% | 80〜90% |
| 学習スタイル | 自学自習が中心 | 対面授業が中心 |
| 人脈形成 | 限定的 | 充実 |
| 就職サポート | 限定的 | 充実 |
| 社会人との両立 | しやすい | 困難 |
通信制の最大のメリットは「学費の安さ」と「仕事との両立のしやすさ」です。学費は通学制の10分の1以下で済むケースもあり、コストパフォーマンスは圧倒的です。
よくある質問(FAQ)
Q. 通信制大学の学位で公務員試験は受けられますか?
A. はい。通信制大学の学位は正規の大卒資格なので、「大卒程度」の公務員試験に受験資格があります。国家公務員も地方公務員も同様です。
Q. 海外で通信制大学の学位は認められますか?
A. 文部科学省が認可した日本の大学の学位は、海外でも正規の学位として認められます。ただし、国や機関によっては個別に確認が必要な場合があります。
Q. 通信制大学の学位で大学院に進学できますか?
A. できます。通信制大学の学士があれば、国内外の大学院への出願資格を満たします。実際に通信制大学を卒業後、有名大学院に進学した方も多くいます。
Q. 学位があれば給料は上がりますか?
A. 企業によります。大卒と高卒で給与テーブルが異なる企業では、通信制大学の卒業によって大卒の給与テーブルに移行できるケースがあります。事前に人事部門に確認することをおすすめします。
Q. 通信制大学を途中で辞めたら何も残りませんか?
A. 卒業しなくても、取得した単位は記録として残ります。後から別の通信制大学に編入する際に、単位が認定される可能性もあります。また、「科目等履修生」として必要な科目だけを学ぶ方法もあります。
Q. 通信制大学の学位は資格取得に使えますか?
A. 使えます。教員免許、社会福祉士、精神保健福祉士、図書館司書など、厚生労働省や文部科学省が管轄する多くの資格で、通信制大学の学位が受験資格として認められています。
まとめ:通信制大学の学位は「使い方次第」で大きな武器になる
- 通信制大学の学位は法的に通学制と同じ「学士」
- 中途採用や転職では問題なく評価される
- 大卒要件の資格取得・昇進・給与アップに直結する
- 学位+資格のセット取得で価値が何倍にもなる
- 学んだ内容を仕事に活かすことが最も重要
- 学費は通学制の10分の1以下で取得可能
通信制大学の学位は「取るだけ」では意味がありません。学んだ知識を仕事に活かし、資格と組み合わせることで、その価値は何倍にもなります。学位をどう活かすかは自分次第です。まずは自分のキャリアプランを明確にして、それに合った大学・学部を選ぶことから始めましょう。


